1997 Fiscal Year Annual Research Report
九頭竜川流域を例とした酸性降下物による陸水の酸性化に関する研究
Project/Area Number |
09650608
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
井上 頼輝 福井工業大学, 工学部, 教授 (90025891)
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Keywords | 酸性雨 / 酸性降下物 / 流跡線 |
Research Abstract |
1.酸性雨は、大気中に放出された人為と天然起源の硫黄酸化物や窒素酸化物が緩慢な科学反応で硫酸や硝酸に酸化され、拡散による希釈を受けて数日後に数百km〜数千km離れた地帯に降下するものである。1993年を例にとり、汚染物質が主として輸送される850mb面における気象庁の与えた風速・風向データをもとにして九頭竜川流域、ことに福井市に到達する空気の流跡を逆Trajectory法により求めた。その結果、福井市の大気は大陸高気圧の優勢な11,12,1,2,3月には中国大陸から、太平洋高気圧の優勢な7,8月には南海上から来ており、5,6,9,10月は季節の変わり目で、東北を除く各方面から来ていることを知った。台風が日本付近を通過するときは流跡線は複雑な動きをする。 東アジアにおける硫黄酸化物発生量を秋元・成田^<1)>のデータより求め、Eliassen^<2)>の用いた拡散と化学反応式により福井に到達する酸性雨原因物質の各国の寄与を求めたところ、福井は日本海に近いために大陸の影響を強く受け、中国の寄与が60〜90%に及ぶこと、大気が南海上から来る7,8月は大陸の寄与はほとんど無く、酸性降下物が少ないことが予想されること等を知った。 参考文献 1)Akimoto Hajime and H.Narita ″Distribution of SO_2,and NO_X and CO_2 Emissions from Fuel Combustion and Industrial Activities in Asia with 1°x1°Resolution″Atmospheric Enviroment Vol.28 No,2 pp 213-225,1994 2)Eliassen A and J.Saltbones ″Modelling of Long-Range Transporrt of Sulphur over Europe″ Atmospheric Environment Vol.17No.8pp1457-1473,1983
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Research Products
(2 results)