1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650618
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Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
小河 利行 東京工業大学, 工学部, 教授 (20126270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 祥裕 東京工業大学, 工学部, 助手 (60280997)
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Keywords | 単層ラチスドーム / 荷重形式 / 座屈性状 / 弾塑性座屈解析 / 座屈実験 |
Research Abstract |
本研究では,形状初期不整および荷重形式の違いが単層ラチスドームの座屈性状に与える影響を,弾塑性座屈解析および座屈実験を通して明らかにするものである。近年の研究により,形状初期不整がドームの座屈性状に大きく影響することが知られている。しかし,その分布形状に関するデータや形状初期不整と荷重不整が同時に存在するドームの座屈性状に関する研究はいまだなされていない。 まず,形状初期不整の分布形状をパラメータとして弾塑性座屈解析を行い,形状初期不整がドームの座屈性状にどのような影響を及ぼすかを明らかにし,その座屈絶力の評価方法を提案した。その結果,座屈時の固有モードと相似の形状で形状初期不整を与えた場合に座屈荷重の下限値を示し,また,弾性解析時ほど形状初期不整に対して敏感ではないものの,完全形において個材座屈を起こすドームほど敏感であることを明らかにしている。 続いて,スパン4.6m程度の模型を製作し,その座屈実験を行った。実験に先立ち,形状初期不整を計測し,その形状初期不整と様々な荷重形式がドームの座屈性状に与える影響を明らかにした。荷重形式は,風及び雪荷重を想定して,半載荷重,中央集中荷重および付加集中荷重とした。その結果,付加的な荷重が作用する点に形状初期不整が存在すると,座屈荷重が大きく低下することを明らかにしている。また,実験結果を,既往の研究で提案されている正規化細長比による座屈耐力評価法により整理している。ここでは,部材の断面形状に依存せず,また形状初期不整や荷重形式に依存することなく,単層ラチスドームの座屈耐力を評価できることを示している。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] 小河利行,桑田真理子: "等分布荷重をうける剛接合単層ラチスドームの弾塑性座屈解析" 計算工学講演会論文集. (3)[3]. 797-800 (1998)
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[Publications] 小河利行,桑田真理子: "鉛直荷重を受ける剛接合単層ラチスドームの弾塑性座屈性状" 日本建築学会構造系論文集. [506]. 131-133 (1998)
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[Publications] Toshiyuki OGAWA et al.: "An efficient method for selection of vibration modes contributory to wind response on dome-like roofs" Journal of Wind Engineering and Industrial Aerodynamics. 73. 31-43 (1998)
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[Publications] Toshiyuki OGAWA et al.: "Elasto-Plastic Buckling Behavior of Rigidly Jointed Single-Layer Latticed Domes" Lightweight Structures in Architecture, Engineering and Construction(LSA'98). (1). 460-467 (1998)
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[Publications] 望月勇,増田圭司,中山昌尚,小河利行: "強風中の円筒屋根面の動的挙動に関する研究" 第15回風工学シンポジウム論文集. 191-196 (1998)
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[Publications] 増田圭司,中山昌尚,佐々木康人,小河利行: "スパン100mに及ぶ二重空気膜構造物の風応答観測" 第15回風工学シンポジウム論文集. 515-520 (1998)
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[Publications] 小河利行,望月勇,増田圭司,中山昌尚: "強風中の円筒屋根面の動的挙動に関する数値シミュレーション" 日本建築学会大会学術講演梗概集. B-1. 315-316 (1998)
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[Publications] 清水英樹,小河利行,桑田真理子,柳瀬博友: "剛接合単層ラチスドームの動的座屈性状に関する研究 その1" 日本建築学会大会学術講演梗概集. B-1. 911-912 (1998)
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[Publications] 桑田真理子,小河利行,柳瀬博友: "剛接合単層ラチスドームの動的座屈性状に関する研究 その2" 日本建築学会大会学術講演梗概集. B-1. 913-914 (1998)
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[Publications] 池田周英,小河利行,桑田真理子: "形状初期不整を有する剛接合単層ラチスドームの弾塑性座屈荷重評価" 日本建築学会大会学術講演梗概集. B-1. 933-934 (1998)
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[Publications] 山崎航平,小河利行,木村祥裕,桑田真理子: "細長比の大きい部材で構成される単層ラチスドームの座屈実験" 日本建築学会大会学術講演梗概集. B-1. 955-956 (1998)