1998 Fiscal Year Annual Research Report
鉄筋コンクリート造連層有開口耐震壁の弾塑性挙動とそのモデル化
Project/Area Number |
09650621
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
土井 希祐 新潟大学, 工学部, 講師 (60134954)
|
Keywords | 鉄筋コンクリート / 連層耐震壁 / 有開口耐震壁 / 耐震設計 / 靭性能 / 静加力実験 / 離散化極限解析 / 開口周比 |
Research Abstract |
1. 目的 開口の大きさに従いせん断強度を低減させる現行の有開口耐震壁の設計法は、簡便さの一方で開口周辺の配筋や終局強度が合理的に定まらず、曲げ降伏する連層耐震壁の靭性設計への適用に疑問が残る。本研究の目的は、開口壁を開口左右の袖壁付柱と開口上下の垂れ壁・腰壁付梁の各耐震要素に分割して各々を設計するという連層耐震壁の新設計法の妥当性を実験的および解析的に評価することである。 2. 実験 初年度に引き続き、開口周比0.4で戸形開口と偏在開口の2体の試験体を用い、連層有開口耐震壁の下部2層を対象とした頂部1点加力による静加力実験を行った。 崩壊形は1階脚部の曲げ崩壊を想定し、その際に各耐震要素に生じる応力に対してせん断強度および曲げ強度を確保するという方針で試験体を設計した。 3. 解析 初年度の開口周比0.4と0.5の2体の中央開口試験体、および本年度の2体、計4体の試験体について、離散化極限解析法による解析を行い、解析結果と実験結果の比較検討を行った。本解析法は、構造物を剛体要素と弾塑性バネによりモデル化するものであり、要素分割を適切に行うことで、比軟的少ない要素数で構造物の終局耐力と終局変位を精度良く計算できる。 4. 結論 (1) 戸形開口と偏在開口の2体の試験体とも、設計意図通り、壁脚部全体曲げ降伏の挙動となり、最大耐力の80%に耐力が低下した部材角で評価された変形能の限界値を実験的に得ることができた。 (2) 1.で示した変形能評価法において、全水平部材角の代わりに曲げ変形成分のみを用いると、一部危険側のデータが出現するが、全体的な傾向は良く実験直を表現した。(3) 3.で示した解析法により、実験における荷重一変形関係を概ね評価することができたが、降伏が実験より早期に生じるなどの問題があり、解析モデルの改善が必要である。
|
Research Products
(1 results)