1998 Fiscal Year Annual Research Report
多次元強震地動をうける靱性型鉄筋コンクリート造建築物の弾塑性応答
Project/Area Number |
09650623
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
久保 哲夫 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (20161664)
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Keywords | 鉄筋コンクリート構造 / 靱性型設計 / 耐震構造 / 建築構造 / 耐震設計 / 地震応答 / 弾塑性応答 / 強震地動 |
Research Abstract |
資料調査分析に基づき高層(60階建て)鉄筋コンクリート造(R/C造)建築物モデルを作成し、耐震性検討の地震応答シミュレーション解析を行った。本年度実施テーマとしては、高層建物を対象とした場合のはり降伏先行型の靭性型設計を保証する柱部材強度の動的割り増し係数ならびに2方向地震入力による割り増し係数の建物高さ方向の変動を取りあげた。本年度の研究実施項目ならびに成果の概要は以下の点にまとめられる。 1. 部材(柱、はり)の弾塑性応答解析モデルの考え方について基本的な検討を加えた。多スプリングモデル(Multi-spring Model)と断面要素モデル(Fiber Model)による弾塑性特性を比較し、モデルの限界、特徴ならびに傾向を把握した。 2. 応答自由度が2である系を対象として、系(建物)に入力する地震時エネルギーを各自由度に対応する応答によって消費する設計の考え方の提案を行い、数値計算によってその成立性を検討した。各自由度に対する応答が安定な弾塑性系であるならば、提案する設計法が成立し得ることを確かめた。 3. 靭性型R/C造建物では、架構強度は必要最小限の大きさにとられ、多方向地動が加えられる場合に動的効果ならびに2方向効果によって柱部材に降伏ヒンジが形成されることである。策定した検討モデルを用い、高層R/C造建物について柱部材の設計用応力を定める動的割り増し係数ならびに2方向割り増し係数を検討した。得られた結論は、以下にまとめられる。 (1) 必要な割り増し係数は、建物高さ方向に沿って変動する。設定した外力分布の場合には、低層部では大きな割り増し係数が必要となる。高層部では、割り増し係数は1を下回る(割り増しの必要がない)。 (2) 必要割り増し係数は、設計用応力を定める外力分布に依存する。結果的に、基部転倒モーメントが小さくなる分布の場合に、大きな割り増し係数が必要となる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 久保哲夫: "強震地動入力時の繰り返し荷重を受けるR/C造建築物の塑性化の進行に関する考察" 日本建築学会学術講演梗概集. C-2. 45-46 (1998)
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[Publications] Kang-Ning LI: "Reviewing the Multi-spring Model and Fiber Model" Proceedings of the 10th Japan Earthquake Engineering Symposium. Vol.2. 2369-2374 (1998)
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[Publications] 久保哲夫: "免震構造・上部構造部分でのエネルギー消費配分を設定する耐震設計法に関する考察" 第10回日本地震工学シンポジウム論文集. Vol.3. 2917-2922 (1998)
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[Publications] 久保哲夫: "強震地震時のR/C造構造物の塑性域での繰り返し応答と損傷の進行に関する考察" 日本建築学会東海支部研究報告集. 第37号. 201-204 (1999)
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[Publications] 久保哲夫: "変形性能のばらつきを考慮する耐震設計法の開発" 日本建築学会東海支部研究報告集. 第37号. 305-308 (1999)