1998 Fiscal Year Annual Research Report
立体建築骨組および立体トラス構造物の逆問題定式化によるひずみ制約設計法
Project/Area Number |
09650627
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
小坂 郁夫 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (40127163)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北尾 聡子 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (40273552)
|
Keywords | 最適設計 / ファジィ理論 / α-レベル集合 / 建築骨組 / 満足度指定設計 / 応答制約設計 / 施工時挙動解析 / プレストレス |
Research Abstract |
1, 多層多スパン建築骨組の満足度指定設計法 梁と柱で構成された建築ラーメンを対象とし、保有水平耐力と構造部材重量の満足度を指定した設計法を誘導した。最小重量設計解や応答値指定設計解は、既成品を使用した設計実務に直接的に使用することは困難である。それに対して、本研究は、数値に幅を持ったファジィ数として部材剛性を得ることができる設計理論で、昨年度に提示した考え方を多層多スパン建築骨組に拡張したものである。特に、個々の部材の選定に直接つながる全塑性モーメントの閉形解を誘導した。 2, せん断型骨組モデルの満足度指定設計法 また、1次固有周期と層剛性和を制約条件としたせん断型骨組モデルのファジィ設計問題とその閉形解についても、昨年度の理論を拡張し、1〜数層づつ層剛性を得ることにより選択幅を広げる手法を誘導した。 3, 建築構造物の施工時応力解析と不静定応力の導入法 多くの設計、施工の実務においては、建設時に入り込む初期不正を考慮に入れることは少ない。しかし、施工途中において、すでに自重などにより変形した状態が生じており、その状態に新たな部材を接合して構造物を構築することが多い。そのため、大スパン構造物などでは、完成時の構造物に生じているひずみや応力が設計値と大きく異なることがある。本研究では、設計時のみならず施工時に入り込む初期不正をも解析するための手法を誘導するとともに、施工時に積極的にプレストレスを導入して部材に生じるひずみの最大値を小さくする手法を誘導した。
|
-
[Publications] 小坂 郁夫: "ファジィ理論を用いた建築骨組の満足度指定設計" 日本建築学会構造系論文集. 第516号. 129-134 (1999)
-
[Publications] 小坂 郁夫: "ファジィ理論を用いた建築骨組の満足度指定設計(その1 設計手法)(その2 設計例とファジィ閉形解)" 日本建築学会大会学術講演梗概集(九州). B-1,構造系I. 449-452 (1998)
-
[Publications] 小坂 郁夫: "ファジィ理論を用いた建築骨組の満足度指定設計" 平成10年度日本建築学会近畿支部研究報告集 構造系. 第38号. 137-140 (1998)
-
[Publications] 小坂 郁夫: "設計用水平力を受ける建築骨組の構造部材重量と保有水平耐力を指標とした満足度指定設計法" 第6回ファジィ建築土木応用シンポジウム論文集. (1999)