1997 Fiscal Year Annual Research Report
薄肉角形鋼管を用いた鋼管横補強RC柱の耐震性能に関する研究
Project/Area Number |
09650630
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
崎野 健治 九州大学, 工学部, 教授 (70037985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
孫 玉平 九州大学, 工学部, 助手 (00243915)
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Keywords | 鋼管横補強短柱 / 正方形角形鋼管 / 幅厚比 / 曲げせん断実験 / 軸力比 / せん断破壊 / 耐震性 / 変形能力 |
Research Abstract |
幅厚比28〜117の正方形角形鋼管により横補強された鉄筋コンクリート短柱(せん断スパン比1.0)10体の一定軸力下における繰り返し曲げせん断実験を行い、鋼管横補強短柱の耐震性能に及ぼす鋼管の板厚の影響について、以下の結論を得た。 1.軸力比が0.33と比較的低い軸力の場合は、幅厚比B/t=117の鋼管で横補強した試験体は小さな変形域でせん断破壊が生じ、柱は部材角が0.02radになってから急激な耐力低下が見られ、充分な変形能力を確保することができない。しかしながら、B/t=60以下の比較的厚肉の鋼管で横補強した試験体はせん断破壊を生じたものの、繰り返しによる復元力特性の劣化はあまり見られず、部材角が0.02radになってからの耐力低下が緩やかであり、柱は十分な耐震性能を確保することができる。 2.軸力比が0.50と比較的高い軸力の場合は、B/t=60の鋼管で横補強した試験体でも、小さな変形域でせん断破壊を生じ、柱は十分な変形能力を確保することができない。 3.いずれの試験体も計算曲げ耐力を発揮する前に、せん断耐力に達した。このことは幅厚比が28と非常に厚肉の鋼管を用いても短い柱のせん断型の破壊を防ぐことが困難であることを示唆している。しかしながら、せん断型の破壊でも、補強用鋼管の板厚を厚くすることによって、部材角が0.02rad以上となる変形まで柱に安定した履歴性状をもたらすことができ、耐力の低下を防ぐことができる。 4.鋼管を等量の帯筋に置換して修正大野・荒川式を用いれば、鋼管横補強RC柱のせん断耐力の下限値を比較的精度良く評価することができる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 池之野陽一,孫玉平,崎野健治: "角形鋼管横補強RC柱の曲げ終局強度について" 日本建築学会研究報告 九州支部. 第37号・I(印刷中). (1998)
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[Publications] 安田健太郎,Aklan Amin,孫玉平,崎野健治: "鋼管横補強正方形RC柱の耐震性能に関する実験的研究 その1 せん断スパン比1.5の柱の実験" 日本建築学会研究報告 九州支部. 第37号・I(印刷中). (1998)
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[Publications] 安田健太郎,Aklan Amin,孫玉平,崎野健治: "鋼管横補強正方形RC柱の耐震性能に関する実験的研究 その2 せん断スパン比1.0の柱の実験" 日本建築学会研究報告 九州支部. 第37号・I(印刷中). (1998)
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[Publications] 安田健太郎,Aklan Amin,孫玉平,崎野健治: "鋼管横補強正方形RC短柱の変形性能に関する実験的研究" コンクリート工学年次論文報告集. 第20号(印刷中). (1998)