1998 Fiscal Year Annual Research Report
単層2方向格子ラチスシェルの座屈設計法に関する研究
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09650636
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
藤本 益美 大阪市立大学, 工学部, 講師 (50117983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 与史也 大阪市立大学, 工学部, 助手 (30254387)
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Keywords | 単層ラチスシェル / 2方向格子 / PC鋼棒 / 初期軸力 / 座屈荷重 |
Research Abstract |
1. 実験的研究と数値解析資料収集を進めている。 2. PC鋼棒を組み込んだ平面正方形の単層2方向格子ドームを対象とし、PC鋼棒に導入する初期軸力の大きさ、載荷荷重の分布形を実験変数とし、初期軸力導入試験並びに中央集中載荷、非対称載荷実験を行った。その結果以下の結論を得た。(1)PC鋼棒の初期縮みによって与える初期軸力導入量は、縮みが大であるほど制御しやすく、目標値とほぼ一致した。初期縮みの小さいものでは目標値とのずれが大きくなった。(2)PC鋼棒の初期軸力が消失することにより、荷重と載荷点変位関係に剛性の低下が確認された。導入軸力量が大きいものほど、剛性低下の生じる荷重が大きかった。(3)中央集中載荷時には、初期導入軸力の差異が座屈荷重に及ぼす影響は小さく、座屈荷重はほぼ同程度であった。非対称載載荷時には、初期導入軸力が大であれば、座屈荷重が大きくなり、本実験では9%程度の増加を示した。(4)座屈荷重を節点あたりの値で表すと、中央集中載荷に比べて、非対称載荷の座屈荷重は、ほぼ、10%から16%程度低下し、その低下の度合いは初期導入軸力が小さいほど大であった。 3. 2.で示した単層2方向格子ドームの座屈実験結果と、離散的取り扱い法による数値解析との比較を行い、変形性状、座屈荷重、座屈モードについて、以下のような結論を得た。(1)解析から得られた座屈荷重は実験値に比べ中央集中載荷時に8%、非対称載荷時に20%程度大きな値となった。特に非対称載荷時に実験結果との誤差が大きくなった。(2)解析による座屈モードは、非対称載荷時には、実験結果とほぼ一致し、中央集中載荷時には実験と異なる結果を得た。(3)載荷点釣合経路の解析結果は初期剛性や座屈点までの実験結果と良く対応した。 4. 数値解析による設計資料収集を効率良く行うために、解析データ作成用プリプロセッサーを開発した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Fujimoto,M.: "Buckling Behaviour of Single Layer Grid Shell Using Newly Developed Light Weight Rigid Joint" Proceedings of IASS 1998 Symposium on“Lightweight Structures in Architecture Engineering,And Construction". 1. 263-272 (1998)
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[Publications] 藤本益美: "PC鋼棒により初期軸力が導入された単層グリッドドームの数値解析結果と座屈実験結果との比較" 日本建築学会大会学術講演梗概集. B-1構造I. 953-954 (1998)
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[Publications] 萩野谷学: "単層2方向格子ラチスシェル用の剛接ジョイントの曲げ実験" 日本建築学会大会学術講演梗概集. B-1構造I. 977-978 (1998)
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[Publications] 九嶋壮一郎: "PC鋼棒を組み込んだ単層2方向格子ドームの座屈実験について その1 実験計画と中央集中載荷実験" 日本建築学会近畿支部研究報告集構造系. 39. (1999)
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[Publications] 藤本益美: "PC鋼棒を組み込んだ単層2方向格子ドームの座屈実験について その2 非対称載荷実験ならびに解析結果と実験結果との比較" 日本建築学会近畿支部研究報告集構造系. 39. (1999)