1998 Fiscal Year Annual Research Report
炭素系単繊維補強コンクリートを使用した屋根形シェル構造の耐力評価に関する研究
Project/Area Number |
09650637
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
真下 和彦 東海大学, 工学部, 教授 (80096263)
|
Keywords | シェル構造 / コンクリート / 炭素繊維補強 / 耐力評価 / 破壊実験 / 数値解析 / 屋根形シェル / 破壊形態 |
Research Abstract |
本研究の主目的は、炭素系繊維補強コンクリートの屋根形シェルの構造耐力を評価することである。小型マイクロ・コンクリート・シェル実験供試体を作製し、破壊実験を行い、数値モデルを作成し、線形・非線形解析を行って、相互の対応を検討する。破壊実験と数値解析モデルの解析を平行して行い、構造耐力評価の精度および適応範囲の確認を行った。繊維補強コンクリートシェルの耐力は、鉄筋コンクリートシェルの場合と比較を行った。 このため、平成9年度に引き続き、平成10年度は、実験的研究において、支持条件および荷重条件に関して数値解析との対応を良好にするための設定を行った。シェル形状は屋根形円筒シェルと部分球形シェルの2種類を対象とした。球形シェルは、シェルの応力が撹乱された条件においても耐力評価の適応性を検討することに配慮し、開口部を設けたシェルの解析を行うため、曲率半径の異なる球との相関曲線により裁断した裁断部分球殻を取り上げた。荷重条件は、円筒シェルにおいて点荷重と線荷重を対象とし、球形シェルは点荷重を対象とした。支持条件は円筒シェルで隅角部ピン支持、球形シェルで脚部ピン支持の設定とした。弾性範囲の変形とひずみ分布を計測した後、シェルの終局状態まで載荷を行い、破壊状態と耐力の確認を行った。 次に、上記の破壊実験に基づき大変形を考慮した非線形数値解析を行った。シェル耐力と破壊形態に関して実験結果と数値解析結果の比較を行い、対応状態を確認した。更にIASS国際シェル学会の安定解析に基づき耐力推定を試みた。塑性破壊荷重、初期不整量、材料定数、施工精度等のパラメータを考慮し、改善を加え、比較的簡便に耐力の予測を行う方法を検証した。本研究により、線荷重および衝撃荷重を受ける円筒シェルの耐力に関する研究、点荷重を受ける裁断殻の耐力に関する研究等の成果公表を行った。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] K.Mashita: "Ultimate Strength of Reinforced Concrete Cylindrical Shells Influenced by Point Load Position" Proc.IASS. No.1. 294-301 (1998)
-
[Publications] 真下和彦: "炭素短繊維補強コンクリートシェルの耐力に関する研究" 空間構造の耐震性能・評価をどう進めるか論文集. No.1. 203-212 (1998)
-
[Publications] 真下和彦: "繊維補強コンクリート造シェルの耐力評価に関する研究" 東海大学紀要 工学部. Vol.38,No.1. 125-133 (1998)
-
[Publications] 真下和彦: "繊維補強コンクリート造裁断球殻の耐力に関する研究" 東海大学紀要 工学部. Vol.38,No.1. 135-144 (1998)
-
[Publications] 真下和彦: "衝撃線荷重を受けるコンクリート造円筒殻の耐力に関する研究" 東海大学紀要 工学部. Vol.38,No.1. 145-152 (1998)
-
[Publications] 真下和彦: "コンクリート円筒殻における衝撃荷重載荷接触面積の影響に関する研究" 東海大学紀要 工学部. Vol.137,No.2. 77-83 (1998)