1998 Fiscal Year Annual Research Report
「息をする建築部材」の開発とパッシブ換気システムへの応用
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09650645
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Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
梅干野 晁 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (50108213)
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Keywords | パッシブ換気システム / 建築壁体 / 自然換気 / 熱回収 / 断熱 / 透湿 / 気密 / 室内気候 |
Research Abstract |
本研究では、「面換気」性能を有する建築部材(「息をする建築部材」)を用い、自然条件下で有効に働くパッシブ換気システムを構築することを目的とし、「息をする建築部材」の部材内部における非定常的な熱・空気・湿気挙動を把握し、部材の自然換気・断熱・透湿性能への影響を明らかにした。 本研究で得られた具体的な成果を以下に示す。 1. 統計的な換気設計による部材の試作と定常状態における透気・断熱・透湿性能の有効性の確認 統計的手法による換気設計を行い、定常状態において基本的な透気・断熱・透湿性能を満たす「息をする建築部材」を試作し、一定差圧条件下での実験を行うことにより、定常状態におりて必要な基本性能が実際に得られていることを確認した。 2. 部材内部及び表面近傍での空気挙動と透気特性に影響を与える非定常的な要素の抽出 非定常状態における部材内部及びシート表面の空気挙動を定性的に把握し、部材の透気・断熱・透湿性能に影響を及ぼす非定常的なパラメーターを抽出するために、レーザーを光源とした可視化実験を行い、数十秒程度の周期性を持つ圧力変動条件でも、有効な換気性能を持つことを定性的に確認した。 3. 風圧変動が部材内部の熱・湿気挙動に与える影響 高さ2mの実物大試験体を環境制御室内に設置し、内部結露発生の条件として最も厳しいと考えられる外気条件下における実物大実験を行い、風圧変動時、高い熱回収効果が得られることや急激な空気流出時の一時的な結露の危険性が、透気方向が変化することにより解消されることを定量的に示した。 4. 自然条件下における部材の透気特性と自然換気性能 「息をする建築部材」を外壁に用いた屋外実験家屋による長期間換気実測を行い、定常的な換気量予測手法である圧力仮定法から算出した換気量と比較することにより、室内外温度差が大きい時が非定常成分の透気特性への影響がより大きいことを明らかにした。 5. 夏季・冬季における部材の断熱・透湿性能と室内微気候の評価 長期間の変動要素としては、日射、気温・湿度・風速の日変化や室内の水蒸気発生などに着目し、夏季と冬季における実測を行い、自然条件下における部材の断熱・透湿性能を明らかにした。また、そのとき形成される室内の微気候の特徴を定量的に示した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Seonghwan Yoon and Akira Hoyano: "Effects of Roof Pitch on Ventilation Rate, Thermal Insulation Capacity, Internal Condensation Occurence on a Passive Ventilation System Incorporating a Pitched Roof Made of Breathing Wall" Proceedings of ISES 1997 Solar World Congress. Vol.4. 99-104 (1997)
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[Publications] 尹 聖皖、梅干野 晁、五内川 和正: "「温暖地を対象とした「息をする壁体」のパッシブ住宅への応用 その1 孔あきPET両面蒸着アルミシートを用いた「息をする壁体」の断熱・透気性能の検討" 日本建築学会大会(九州)学術講演梗概集. D-1環境工学I. 1039-1040 (1998)
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[Publications] 五内川 和正、梅干野 晁、尹 聖皖: "「温暖地を対象とした「息をする壁体」のパッシブ住宅への応用 その2 加圧・減圧実験による「息をする壁体」の透気・断熱性能および結露発生有無の検討" 日本建築学会大会(九州)学術講演梗概集. D-1環境工学I. 1041-1042 (1998)
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[Publications] Seonghwan Yoon and Akira Hoyano: "Passive Ventilation System That Incorporates a Pitched Roof Constructed of Breathing Walls for Use In a Passive Solar House" Solar Energy, Journal of the International Solar Energy Society. Volume64/Issue4-6. 189-195 (1998)
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[Publications] 尹 聖皖、梅干野 晁、呉 海: "「息をする壁体」を用いたパッシブ住宅の実用化 その1 環境制御室内実物大実験による部材内部の非定常的な熱・湿気移動の把握" 日本建築学会大会関東支部研究報告集. (発表予定). (1999)
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[Publications] Seonghwan Yoon and Akira Hoyano: "Experimental Analysis of Wind Pressure Effects on Thermal Insulation Capacity and Internal Condensation in a Breathing Wall-Development of a Breathing Wall," Proceedings of the 16th International Conference on PLEA1999. (発表予定). (1999)