1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650649
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平岡 久司 京都大学, 工学研究科, 助手 (80115922)
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Keywords | 気孔コンダクタンス / 気孔抵抗 / ニューラルネットワーク / 植物 / 気孔 / 重回帰分析 |
Research Abstract |
1.研究目的 植栽の熱・水分収支をモデル化する際に、植物特有の問題が生じる。それは植物の葉の気孔の開閉より、植物からの蒸散量が大きく変化する点である。この量を正確に予測しないとモデルの信頼性がなくなる。気孔の環境条件への応答をニューラルネットワークを用いてモデル化するのが、本研究の目的である。 2.研究実績 (1)気孔コンダクタンスの測定データの収集した。気孔の開閉(定量的には気孔コンダクタンス)は、主に4つの環境条件(光合成有効放射量、空気の湿度、葉温、葉の水ポテンシャル)に応答することが判っている。これらの環境条件と気孔コンダクタンスが同時に測定されているデータを過去の研究から探しだした。 (2)得られた観測データを用いて、ニューラルネットワークを利用した気孔コンダクタンスの非線型重回帰モデルの作成を試みた。使用したニューラルネットワークは階層型、アルゴリズムはバックプロパゲーションを採用した。理由は、非線型重回帰のモデルには階層型ニューラルネットワークが最も適当であり、バックプロパゲーションは階層型のニューラルネットワークに最も利用されるアルゴリズムであるため。結果としては、隠れ層のニューロンを8個程度にとっておけば、ニューラルネットワークを利用した気孔コンダクタンスの非線型重回帰モデルは、十分に測定データを予測した。 (3)従来から使用されているモデルとの精度の比較を行った。今回のニューラルネットワークを利用したモデルは、従来のモデルに比べて、精度において格段に精度が高かった。
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