1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650652
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
新田 勝通 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (70026342)
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Keywords | 建物換気 / 火災 / 排煙経路 / 多様性 / 模型実験 |
Research Abstract |
建物換気系は非線形に属する現象であり、同一形状、同一外部条件に対して換気経路に多くの異なった換気経路、換気量、室温形成がなされる。換気系を支配する方程式の理論解によって換気多様性が存在することを示し、2〜3階の対称形建物のケーススタディによって証明してきた。これらの結果をまとめて本年に、その成果を国際シンポジウムで発表した。 3解建て対称形建物の1解発熱(火災室)では5種類の複数の解があり、実験的にこの状態を再現する模型実験を行った。流れを可視化するため透明アクリル板で1/20の縮尺模型を作成し、常温近くでの温度場で実験を行った。模型に対する換気多様性は5種類あるがその内3種類は再現が容易である(他の2種類は極端に高温の室温度となるため実験は困難である)ことを計算によって確かめており、実験による検証が本年度の研究目的である。 5mm厚のアクリル板をネジ式で組み立てる模型を作成して、熱電対による温度場の測定と換気経路の目認、トレーサー煙の導入による写真撮影を行い、現在鏡像関係にある2種類の換気多様性を確認した。定性的には複数の換気経路を検証でき、本年度の研究実施計画をほヾ達成できた。 熱源にニクロム線加熱式を採用したが上昇気流によるアクリル板の変形があり、たびたびの模型部位の交換が必要であり、実験スケジュールが遅れ気味であり、あと1種類の換気形態を見い出すには至っていない。 換気多様性の解析による証明では流れの室内一様拡散の仮定に基づいており、実験において強度の温度成層を起こすことのないような工夫を重ね実験研究を進める予定である。 1月までの換気多様性の研究成果は、建築学会近畿支部の特別講演会で1時間の発表を行った。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Katsumichi NITTA: "Analytical Study on A Variety of forms of Multi-Room Ventilation." Proceeding Int.Symp.on Building & Urban Environmental Eng.67-78 (1997)
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[Publications] 新田 勝通: "多数室換気における多様性について" 日本建築学会近畿支部環境工学部会講演会(特別講演). (1998)
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[Publications] 新田 勝通: "天井チャンバー方式排煙口における逆流問題" 日本建築学会近畿支部研究報告集. 37(発表予定). (1998)