1998 Fiscal Year Annual Research Report
吸放湿材を利用した住宅の結露防止,結露被害防止に関する研究
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09650659
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Research Institution | KINKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
池田 哲朗 近畿大学, 理工学部, 教授 (50026150)
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Keywords | 住宅 / 結露性状 / 結露防止 / 結露被害防止 / 吸放湿材 / 熱水分同時移動 / 外界気象 |
Research Abstract |
今年度に行った研究により得られた新たな知見を以下に列挙する。 1 昨年度には住宅における各室の温湿度の予測、断熱材、吸放湿材貼付時の温湿度予測ならびに材料内温度、水蒸気、含湿率予測の計算システムを確立した。本年度はさらに、壁体構成材内の相対湿度の形成状態に対応した熱・水蒸気移動、熱・水分移動および両者の組み合わせが考慮できる計算システムを追加した。 2 住宅内における生活パターンに対応した結露被害防止に及ぼす吸放湿材の貼付効果について検討した。 (1) 生活パターンに対応した間欠暖房時間が減少することによって吸放湿材内の含湿率は高くなる。 (2) 1日での暖房時間が同じであればその暖房時間の間欠性はそれほど大きくない。 3 外界気象の結露牲状に及ぼす影響は、昨年度の相対湿度が60%に引き続き、本年度では、70%について検討した。当然のことではあるが、湿度が高くなるにしたがって、外界気象の方位の影響は大きくでる。よって、結露被害防止のための吸放湿材貼付厚を変えるという非常に経済的な検討がより行える。 4 夏季の冷房の普及から、夏型結露の問題が提起されてきている。冬期における結露問題の処理として推進されている通気層工法は夏季においては蒸し返しの影響から夏季において結露の発生が生じる。この夏型結露による結露性状と被害の検討を行った。 (1) 結露被害の検討は間柱も含めた壁体構成全体の被害を検討する必要がある。その検討計算モデルを提案し、実験結果との比較よりこのモデルの妥当性を明らかにした。 (2) 被害の検討を、年間のシュミレーションにより行った。蓄積結露量は東京、大阪、鹿児島と南に下がるごとによって増加する。また、方位については北、南、西と増加する。間柱の含湿率は夏期季に増加し、冬期に減少するが、年間を通して増加はせず、各地域とも間柱の腐朽は生じないと考えられる。
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Research Products
(1 results)