1998 Fiscal Year Annual Research Report
自治体住宅政策対象の圏域構成とその住宅需要構造変化動向の地域比較研究
Project/Area Number |
09650660
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
眞嶋 二郎 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (00002907)
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Keywords | 住宅市場圏 / 住宅需要構造 / 住宅事情 / 市町村 / 住宅マスタープラン / 地域特性 / 国勢調査 / 住宅統計調査 |
Research Abstract |
市町村住宅マスタープラン策定の基礎として、政策検討対象としての「住宅市場」の圏域構成を確かめ、その中で各市町村を位置づけ、これらを踏まえて各市町村の住宅需要構造と住宅事情の地域面・階層面にわたる構造的解析と将来見通しの客観的な把握が必要である。今年度の研究目的は、昨年度に引き続き住宅統計調査・国勢調査等の住宅関連統計データを使い、全国都市の住宅市場圏の拡大・変化過程の長期的動向と地域特性を比較検討することにある。 1) 住宅市場圏とその変化動向:昨年度研究(1955〜1990年の国勢調査結果・通勤通学集計による通勤流動の面からの住宅市場圏設定)に1995年国勢調査データを加えデータの再編集を行い、1995年時点の圏域構造分析を行った。これを踏まえて、圏域全体の住宅事情の地方特性とその変化過程分析および圏域帯別の住宅需給の地域構造分析のための国勢調査・住宅統計調査・住宅着工統計調査の市町村データ(1960年以降)の編集に入った。現在、この編集作業に手間取り、集計分析は次年度に繰り延べとなった。この分析対象は、基本的には全国の人口5万人以上市を母都市とする圏域が143圏、5万人未満市町村を母都市とする圏域197圏(独立都市は除く)、合わせて340圏域である。 2) 都市内の地区レベルにおける住宅事情の地域構造分析:住宅需給の地域構造を詳細に検討するために、札幌市・函館市を事例とした1998・93年次の住宅統計調査個票による特別集計解析と函館市を事例とした国勢調査個票による特別集計解析に取り組んだ。前者の住調に関しては解析を終了し、札幌市では地下鉄の開通・延長に伴う住宅地構造の急速な変化が明らかになり、函館市の場合は西部地区から北東部への人口移動に伴う中心部空洞化と新興住宅地区の構造的関係の変化が押さえられた。国勢調査分析は現在進行中である。これらは上記1)の圏域帯別住宅需給の地域構造分析への詳細は示唆を与えるものである。
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