1998 Fiscal Year Annual Research Report
病院建築のリニューアルヒストリーモデルとリニューアル計画手法に関する研究
Project/Area Number |
09650661
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
菅野 實 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (10005366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 大洋 東北大学, 大学院工学研究科, 助手 (70282118)
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Keywords | 病院建築 / リニューアル / リニューアルヒストリーモデル / 集約型ブロックプラン / 多翼型ブロックプラン / 計画指針 |
Research Abstract |
医療の発展に伴い病院には常に成長と変化が求められ、その対応を目的とした増改築等のリニューアルはかねてからの病院建築計画の主要な課題であった。本研究の目的は、第1にリニューアルヒストリーモデルを作成して、各段階における計画課題を明らかにすること、第2には今日、病院建築の典型となっている2つのブロックプランタイプ-集約型・分棟型におけるリニューアル計画手法を整理して、それぞれの特質を計画指針として提示することにある。 研究の方法は、現代の病院計画論をもとにほぼ昭和50年代に建設された約50の病院を対象に、病院を直接訪問して、リニューアルの経過を医療法第7条に規定されている「病院開設許可事項の変更」申請に基づき図面上で確認しながら担当者から聞き取ることによった。本年度は29病院を調査した。詳細な分析・考察は現在進行中であるが、その一端を紹介すると以下の通りである。小規模な増改築を極めて頻度高く繰り返した後、築後15〜20年にかけて大規模な増改築を、そして25年過ぎると全面建替えを行なったり検討の段階にある実態が捉えられた。また、竣工当時に将来の増築を建物上部に予定していたケースでは、その後の新耐震基準の改定や阪神淡路大震災の経験を踏まえて、それを断念せざるを得ない事例も多く見受けられた。さらに、集約型の事例では、いずれも築後15年前後におとずれる設備配管の更新を、病院機能のとりわけ入院患者が在室したまま行なうことの困難に直面しており、一方、当初から将来の増改築に対応することで開発された分棟型・多翼型の事例では、増改築の容易さが十分確認できた反面、病院各部が離れすぎて患者動線が不都合を生じているなど、昨年度の研究展開において仮説的に捉えられたリニューアルに関わる諸特性をさらに具体的に把握することができた。
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