1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650662
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
小西 敏正 宇都宮大学, 工学部, 教授 (10016834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 成春 宇都宮大学, 工学部, 助手 (50282380)
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Keywords | 構法 / 保存 / 解体 / 移築 / 建築部材 / 記号化 |
Research Abstract |
今回の研究では、建物を保存するための多くの構法の内、対象を近代建築とし、解体して再組立する構法を対象として、一般的な解体修理の他、解体移築による保存も範囲に含めた。 まず、近代建築が密度高く残されている長崎、神戸、横浜の近代建築の保存状況について調査を行い、保存に関しての保存判断基準、保存構法などを調べた。その結果、保存価値の定まった近世以前の建物の場合は、その構法もある程度定式化されているが、明治以降建てられた近代建築の場合は、個々の場合でその都度保存の構法が考えられているのが実状であることを把握した。また、栃木県における近代建築のうち取り壊された建物と、保存された建物について、各々の理由を調査し分析した。次ぎに、全国の解体・移築による保存のなされた近代建築の修理報告書等を収集し、その内、特徴の顕著な17の修理報告書から解体・移築構法行為の流れを分析しフローチャートとして示した。また、解体・移築に関連した事項を抽出し、それらが包含できるように建築物を構成する部材の記号化を行うことによって、解体・移築行為の流れに従って部材がどう扱われ、どう変化していくかを明らかにした。解体・移築行為のフローチャートから、解体・移築行為を6段階の作業に分割し、その各作業の共通構成要素を抽出し、作業過程と作業構成要素のマトリックスをつくり、解体・移築保存が的確に行える構法を検討するための枠組みを示した。この枠組みにより、経験によって個別に対応していた移築・解体構法を体系的に考え得るようにした。
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Research Products
(1 results)