1998 Fiscal Year Annual Research Report
移動用補助機器を使用する高齢者の住居内移動の必要寸法に関する実験研究
Project/Area Number |
09650677
|
Research Institution | Science University of Tokyo |
Principal Investigator |
直井 英雄 東京理科大学, 工学部・第II部, 教授 (10138977)
|
Keywords | 介助型車椅子 / 住宅 / 通路幅 / 段差 |
Research Abstract |
これまでにも、住宅内における車椅子の移動必要寸法に関する研究が数多く報告されているが、それらは、身体障害者を対象とした、自分で操作する手動型車椅子に関するものが大多数を占めている。ところが、わが国で実際に車椅子による移動が必要となった高齢者が在宅生活を送る場合、車椅子を自分で操作することは少なく、使用する車椅子も自力で操作する装置を持たない介助型車椅子(手押し型車椅子)を使用することが多い。本研究では、この介助型車椅子の移動のための必要寸法について、介助者のとるスペースや操作のばらつきも含めて定量的に把握し、設計上の基礎資料を得ることを目的に、人間工学的な実験を行った。既往の研究資料によれば、住宅内に手動型車椅子を持ち込んで使用する場合、有効通路幅として85cm以上、90度回転して部屋に入る場合、有効開口幅として90cm以上が必要とされていた。これに対し、介助型車椅子を対象とした本研究の結果、壁などへの多少の接触を許容するという条件を付けた上で、有効通路幅80cm以上の住宅での使用が可能であるとの結論を得た。ただし、90度回転する場合は回転後90cm以上の通路幅が必要となること、また、このようなぎりぎりの条件の通路幅の場合、許容できる段差は2cm以下が望ましいこと、などの付帯条件も併せて把握した。
|