都市市街地における高層住宅居住高齢者の生活領域形成に関する研究

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09650680
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
• Research Institution: Musashi Institute of Technology
• Principal Investigator: 谷口 汎邦 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (40016332)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 山口 勝己 武蔵工業大学, 情報処理センター, 講師 (30200611) ; 天野 克也 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (60159457)
• Keywords: 高齢者 / 高層住宅 / 住環境整備 / 地域施設 / 戸外行動 / 施設利用 / 都市居住 / 生活領域

Research Abstract

本研究は、都市市街地における高齢者のための住環境整備計画の一環として、高層住宅居住高齢者について、戸外における生活行動特性と生活関連地域施設の利用構造を明確化し、その生活領域の実態を捉え、生活領域形成からみた地域施設整備計画上の基礎的条件を明らかにし、住戸・住棟空間条件等が生活領域形成に及ぼす影響の程度を明らかにすることを目的としている。今年度行った研究の成果は以下に示す通りである。
(1)公共の大規模な高層住宅団地から、東京都23区内に立地し、同じ北区にあり立地条件が異なる2団地を調査対象地として選定し、(2)現地調査等により、対象地の1000m圏を中心とした生活関連施設の分布状況等の住環境条件を把握した。(3)対象団地の居住者(60歳以上の者と世帯の主な家事従事者)に対して、属性、戸外における生活行動、生活関連施設利用、等に関するアンケート調査を実施した。その結果、(4)高齢者の戸外における生活行動特性として、(1)外出頻度は駅への利便性が高いと乗物利用による頻度が高くなり、外出全体の頻度も高くなること、(2)高齢者の外出行動内容としては「受診・薬の受取り」「散歩・公園散策」「外での飲食」が多く、団地内や周辺の施設・環境により、行動内容に違いがみられること、等を明らかにした。(5)生活関連施設の利用実態からは、(1)徒歩圏内施設が充実している地区では、500m圏内を中心に行動していること、(2)周辺施設が不十分な地区では団地内に利用が集中する一方、バス利用で居住地区の隣接地域まで行動が広がる傾向があること、等を明らかにした。(6)住宅と生活関連地域施設の複合化事例として、世田谷区における高齢者住宅と高齢者在宅サービスセンターの複合化に関する資料収集及び現地視察を行った。

Research Products

• [Publications] 浅沼由紀: "都市居住高齢者の生活特性と余暇関連施設の利用特性について -都市居住高齢者の地域施設利用構造に関する研究 その2-" 日本建築学会計画系論文集. No.492. 119-125 (1997)
• [Publications] 浅沼由紀: "都市居住高齢者の余暇関連施設の利用特性と施設特性について -都市居住高齢者の地域施設利用構造に関する研究 その3-" 日本建築学会計画系論文集. No.507(掲載予定). (1998)