1998 Fiscal Year Annual Research Report
街並みの景観デザインのための形態生成の方法に関する記号学的研究
Project/Area Number |
09650681
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
門内 輝行 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90114686)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 種臣 早稲田大学, 理工学部, 教授 (40130869)
|
Keywords | 街並み / 景観 / 形態生成 / デザイン / シミュレーション / 景観アセスメント / 複雑適応系 / 遺伝的アルゴリズム |
Research Abstract |
本研究の目的は、様々な要素の集合からなる複雑適応系としての街並み景観のデザインを支援する形態生成の方法を開発することにある。今年度は、次のような内容の研究を実施し、多くの新たな知見を得ることができた。 1. 形態生成のためのルールの抽出 日本の各地に分布する200箇所の歴史的街並みの景観について、ハイパーメディアによるデータベースを用いて、様々な街並み景観のルールにしたがって、事例を抽出できるシステムを開発した。 2. 形態生成のシステムの開発 街並み景観の構成要素のレパートリーから適当な要素をピックアップし、形態生成のルールを用いて(置換したり、変形したり、重ね合わせたり、並べ替えたり、色彩やテクスチャーを変化させて)、多様な街並み景観を生成できるシステムの開発を進めた。スカイラインやシルエットの形態生成、フラクタル次元や情報尺度を用いた複雑さの計測、類似と差異のネットワークに注目した形態生成、Lシステムや遺伝的アルゴリズムを用いた形態生成、視点の移動や時刻の変化に基づく景観のシミュレーションなどを組み込んだコンピュータ・システムのプロトタイブを探求し、多様でありながら統一性のある街並みをデザインする可能性を示した。 3. 街並み景観のデザインとその評価 歴史的街並みの一部を建て替える場合、歴史的な建物と現代の建物が混在している場合、ニュータウンに新しい街並みをつくる場合など、いろいろな状況が考えられる。そこで、ケーススタディとして、開発した形態生成のシステムを用いて、多様な街並み景観のデザインを生成し、その景観の評価(景観アセスメント)を行った。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 門内 輝行: "人間-環境系のデザインへの記号論的アプローチの展開" 第1回生活環境設計シンポジウム講演論文集(日本学術会議). 29-34 (1998)
-
[Publications] 門内 輝行: "1998年日本建築学会賞(論文) 街並みの景観に関する記号学的研究" 建築雑誌. 113巻,1425号. 82 (1998)
-
[Publications] 門内 輝行: "都市景観の問題-歴史都市・京都の開発と保存をめぐって-" 人文社会科学研究. 39号. 225-244 (1999)