1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650683
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
荒木 兵一郎 関西大学, 工学部, 教授 (00067547)
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Keywords | 高齢者 / 心身障害者 / 居住環境 / 自立度 / 社会参加 / グループホーム / 痴呆性高齢者 / 環境移行 |
Research Abstract |
高齢心身障害者の自立度と社会参加度が、障害特性や居住環境構成の相違によってどのように変化するかをメインテーマに研究を進めた。高齢精神障害者については、グループホーム利用者について、その入居前後に自立度と社会参加度がどのように変化したかをみるアンケート調査を実施した。回答数は49名である。入居後には自立度は向上するが、社会参加度は必ずしも向上せず、むしろ低下する項目もみられた。すなわち周辺地域住民との交流を図りやすくする工夫の必要性が認められた。痴呆性高齢者については、一昨年度からの継続で建替え工事中の特別養護老人ホームを対象に自立度と社会参加度に関するアンケート調査と行動観察調査を実施した。11月に建替え工事が完了した間際に調査したので、折角、新築の良い環境に移住したのにも係わらず、両得点の向上はみられなかった。すなわち、高齢者の環境適応には相当の時間が必要であり、再度調査する必要性が認められた。これらとは別に、まちづくりの視点からの居住環境整備の基礎資料を抽出することを目的としたアンケート調査も実施した。これについては、調査対象者は高齢心身障害者のみではなく一般の高齢者や若年者を含め、調査対象地域は居住環境が明確に異なるニュータウン(兵庫県三田ニュータウン地区)とオールドタウン(大阪市阿倍野地区)と呼ばれる地域とした。回答者数は245名である。各種施設の利用動向と施設整備要求度、および周辺環境の評価と今後のまちづくりの方向について尋ねている。これを回答者の世代別と地域別で有意差検討をし、おおよその傾向を把握した。結果については、次ページ研究発表の「新旧市街地における高齢社会の住み良さに関する研究」を参照して下さい。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] H.Araki & K.Adachi: "Visual Search on Simulation of Traffic Crossing; Comparative Study of Dementia, Developmental Disability and Normal Groups"Symposium Presentation, EDRA, Orlando. 30. 1-6 (1999)
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[Publications] 荒木兵一郎,足立啓: "都市型特別養護老人ホームの同一敷地内での段階的建替時における居住者の環境移行とその影響"日本建築学会第17回地域施設計画研究シンポジウム. 17. 227-282 (1999)
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[Publications] 足立啓,荒木兵一郎: "痴呆性老人の交差点画像に対する視覚情報探索行動に関する研究"老年社会科学. 21-3. 317-328 (1999)
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[Publications] 荒木兵一郎: "高齢者集合住宅(シルバーハウジング)の被害と対応状況"直下型地震防災研究報告書/関西大学工業技術研究所. 3. 93-100 (1999)
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[Publications] 荒木兵一郎,亀谷義治ほか: "知的障害者グループホーホームの入居者の自律度"日本建築学会大会学術講演梗概集. E-1. 323-326 (1999)
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[Publications] 荒木兵一郎,亀谷義治ほか: "新旧市街地における高齢社会の住み良さに関する研究その3-その5"日本建築学会大会学術講演梗概集. F-1. 647-652 (1999)
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[Publications] 荒木兵一郎ほか: "障害をもつ人の人権講座第2巻/社会参加と機会の平等"有斐閣. 331 (1999)
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[Publications] 荒木兵一郎ほか: "阪神・淡路大震災調査報告書第8巻建築計画/建築歴史・意匠"日本建築学会. 424 (1998)