1997 Fiscal Year Annual Research Report
ユニバーサル環境デザインと高齢者への環境的治療効果に関する研究
Project/Area Number |
09650693
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
狩野 徹 (財)東京都老人総合研究所, 生活環境部門, 研究員 (00204595)
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Keywords | ユニバーサルデザイン / 転倒事故 / 痴呆性老人 / 空間認知 / 施設計画 |
Research Abstract |
本年度は以下の3つの課題について研究を行った。 1.転倒事故調査 高齢者のみではなく,子供も含めて,転倒事故に関する郵送調査をおこない,事故の原因,状況を把握した。高齢者で屋外の転倒事故が環境デザイン上大きな問題であることが明らかになった。子供の行動パターンは,環境に対する注意が少ないことが事故につながっている状況を明らかにした。 2.介護施設における痴呆性老人に対する環境デザイン的実態調査 特別養護老人ホームなど痴呆性老人を受け入れている施設等に対して,空間的工夫,建築的設計意図の実態を捉える郵送調査をおこなった。特に,入浴に関しては,住宅らしさである条件である個人浴槽が増加している傾向を捉えた。その他,わかりやすさに関する工夫の実態を捉え,データーベース化した。 3.痴呆性老人の空間に対する反応の観察調査 痴呆性老人に対して,空間的工夫がどのように効果があるか,文献調査をおこない,実際の観察調査をするための検討を行った。現場に携わっている,理学療法士及び医師らの意見をいただき,上記の2とともに,いろいろなケースが集まった。しかし,物的環境の効果の評価が非常に難しいことが判明した。痴呆性老人個別に対応の仕方が異なるため,客観的な評価にはさらに検討することが必要であることを明らかにした。
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