1997 Fiscal Year Annual Research Report
超高圧力下のB2型規則相NiAl中の拡散とその機構
Project/Area Number |
09650717
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
南埜 宣俊 大阪大学, 工学部, 教授 (30116107)
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Keywords | 拡散 / NiAl相 / 金属間化合物 / 高圧力 / B2型規則構造 / 活性化体積 / 活性化エネルギー / 濃度距離曲線 |
Research Abstract |
化学量論組成(Ni-50at%Al)を持つNiAl合金とNiAl-Fe,NiAl-Ti,NiAl-Mn合金を溶製し3種の拡散対を作製した。常圧力下及び高圧力下で拡散焼鈍した拡散対内の濃度分布をEPMAで測定し、その濃度分布からHallの方法により拡散係数を決定した。これらより拡散係数の温度依存性から活性化エネルギーを評価し、圧力依存性から超高圧力下のNiAl相中の化学量論組成での拡散の活性化体積ΔV_Dを得ることが出来た。ΔV_Dは、拡散の活性化状態の方法を与え拡散に寄与する格子欠陥に対応した値を示し、拡散機構を解明する上で有力かつ重要な量である。得られた拡散係数(m^2/s)の例としてMnの拡散係数を以下に示す。常圧の0GPaでは、1423K1.51×10^<-15>、1448K2.46×10^<-15>、1473K3.69×10^<-14>、1498K6.42×10^<-15>、1523K8.62×10^<-15>、1548K1.26×10^<-14>、1573K1.84×10^<-14>、1598K2.86×10^<-14>、1623K3.98×10^<-15>、高圧の1.19GPaでは1623K2.49×10^<-14>、1.99GPa1623K1.21×10^<-14>、1623K9.03×10^<-14>であった。これらのデータよりD=D_0exp(-Q/RT)より常圧下の活性化エネルギーはMnではQ=311kJ/mol、頻度因子D_0=4.04×10^<-4>m^2/s、FeではQ=333kJ/mol、頻度因子D_0=2.68×10^<-3>m^2/s、TiではQ=342kJ/mol、頻度因子D_0=1.85×10^<-3>m^2/sが評価できた。更に、(∂lnD)/(∂P)=-(ΔV_D)/(RT)+r_GK_Tより拡散係数の圧力依存性から、活性化体積はをMnではΔV=7.08×10^<-6>m^3/mol、すなわち、ΔV/V_0=0.98(ここでV_0=7.24×10^<-6>m^3/mol)、FeではΔV/V_0=0.84、TiではΔV/V_0=1.06が評価できた。これらの値は拡散が空孔を媒介とした複雑な拡散機構により生じていることを強く示唆するものである。
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