1997 Fiscal Year Annual Research Report
自己逓倍レーザー材料スティルウェライト化合物のSHG測定と単結晶育成
Project/Area Number |
09650725
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小野 泰弘 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30211832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶谷 剛 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80134039)
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Keywords | 自己逓倍レーザー / スティルウェライト / 単結晶育成 / 第二高調波発生 |
Research Abstract |
スティルウェライトLnBGeO_5(Ln=La,Pr)単結晶の育成は既に報告されている。しかしCeBGeO_5については単結晶育成はもとより合成の報告もない。Ceは周期表でLaとPrの間にあり、CeBSiO_5がスティルウェライト型鉱物として知られていることから、CeBGeO_5もスティルウェライト構造を持つと期待される。La-スティルウェライトと同様の条件(固相反応法)でPrBGeO_5、CeBGeO_5を合成し、粉末X線回折パターンを測定したところ、PrBGeO_5がスティルウェライト構造を持つことは確認されたが、CeBGeO_5は全く異なる構造を持つことがわかった。これにより、本研究における単結晶育成はLnBGeO_5(Ln=La,Pr)に絞られた。 引き上げ法によるLaBGeO_5の単結晶育成では、1)硼素の蒸発、2)融液の粘性、3)過冷却を検討する必要がある。まず、硼素過剰の融液からの単結晶育成を想定して、硼素を10%,20%,30%過剰に含む融液を冷却し微小な単結晶を得た。これらの粉末X線回折パターンはスティルウェライト構造を示したが、過剰硼素が増加するに従って緑色の内包物が増加した。光学的応用では単結晶は内包物等を含まず透明でなければならないので、組成比はLa:B:Ge=1:1:1が最もよいことになる。次に、組成比La:B:Ge=1:1:1の融液を用いて引き上げ法によるLaBGeO_5単結晶の育成を試みた。育成条件は、回転数4rpm,引き上げ速度3mm/h(種結晶:白金線)であり、30mmほどの長さの多結晶の集合を得た。この融液では、LaBSiO_5の場合に比べて粘性が低く、過冷却も問題とはならなかった。また、引き上げられた塊の粉末X線回折パターンはLaBGeO_5であることを示しており、硼素の蒸発も重大な影響を及ぼすことはないようである。 引き上げられた塊の透明な部分から種結晶となる小さな単結晶を得ることができたので、再度LaBGeO_5の単結晶育成を試みる予定である。
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