Research Abstract |
B_4C-Ti,BN-Ti粉末間の固相反応,(1)B_4C+3Ti=2TiB_2+TiC,(2)B_4C+2BN+6Ti=3TiB_2+TiC+2TiNを用いて,ミクロに混合したTiB_2‐TiC,TiC‐TiN複合セラミックスを作製するための基礎研究として,固相反応過程を調べた.まず,金属TiとB_4C粉末あるいは金属TiとB_4CとBN粉末を圧粉成形後,1000°C以上の温度で種々の時間反応させ,粉末X線回折で生成物を分析し,さらに生成組織の元素分布をEPMAで調べた.さらに,X線回折結果から,TiB_2,TiC,TiNが時間とともにどのように生成するかを解析した.B_4C-Tiの反応は1000〜1300°Cの温度範囲で調べた.反応対のB_4CとTiの混合比は,定比のTiCが生成する反応の混合比とした.反応が開始すると,まずTiCとTiBが生成し,ついで,TiBの減少とともにTiB_2が生成した.この時生成するTiCは不定比であり,反応初期にはTiG_x,のxはTiと平衡する組成の0.5で,やがて0.65まで増加し,再び0.52に減少した.これらの結果は,反応が,(1)B_4C+(4+1/x)Ti→4TiB+1/xTiC_x,(2)B_4C+4TiB+1/xTi→4TiB_2+1/xTiG_x,(3)2TiB+yTiC_x→TiB_2+(y+1)TiC_<x-x>/_<(y+1)>の順に進行すると考えるとうまく説明することができる.BNとTiの反応については,1000〜1200°Cの範囲で調べた.この場合も反応対のBNとTiの混合比は定比のTiNが生成する反応の混合比とした.反応が開始すると,まずTiBとTiNが生成した.さらに時間が経過するとTiBが減少するとともにTiB_2が増加し,最終的にTiB_2とTiNが生成した.このTiNはTiCの場合と同様,ほぼTi_<0.9>Nで表される不定比のものであった.
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