1997 Fiscal Year Annual Research Report
構造用セラミックスのき裂進展の動的観察と微構造解析
Project/Area Number |
09650728
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
菅野 幹男 山形大学, 工学部, 教授 (60007002)
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Keywords | Si / SiCセラミックス / き裂進展挙動 / 動的観察 / ブリッジング形成機構 / フラクタル特性 / 微構造 / 小型引き裂き試験装置 |
Research Abstract |
初年度である平成9年度の主たる実施内容は,現有の小型試験片引き裂き試験装置を光学顕微鏡試料台に取り付け可能なように改造製作し,CCDカメラとコンピュータ画像処理の導入によるき裂進展の動的追跡・評価システムを開発しました.それによって,次の事項が実現可能または明らかとなりました. (1)光学顕微鏡でき裂先端の様相をその場観察しながら,CCDカメラを通して映像をモニター用ディスプレイに映し出すとともにビデオに収録し,デジタルイメージファイルを用いてフロッピィ・ディスクにも記録できるようになりました.その結果,き裂尖端挙動の動的観察だけでなく,画像解析により局所的き裂進展速度をも求めることが可能となりました. (2)Si/SiC試験片のslow crack growth現象をその場観察して動的に追跡しました.ブリッジングの形成と崩壊の過程を連続的に観察記録することにより,本材の破壊は,一本のき裂が最終段階まで連続的に成長して起こる現象ではなく,主き裂がき裂前方領域にマイクロクラックを発生させつつブリッジング形成を繰り返しながら進展する機構によって起こることが明らかとなりました. (3)き裂進展様相をフラクタル次元解析によって評価し,き裂進展速度とフラクタル次元との相関性を検討しました.高いフラクタル次元を示す領域でのき裂進展速度は小さく,低いフラクタル次元を示す領域でのき裂進展速度は大きい関係にあることが分かりました.この件については,破面解析の結果との関連についても目下検討しています. (4)粒内型と粒界型のき裂進展形態は,き裂の進展方向に対する結晶粒の配向に依存することが判明しました.
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