1998 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波誘電体の誘電率の圧力変化を含む諸特性に及ぼす組成の部分置換の影響
Project/Area Number |
09650739
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
井川 博行 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (30016612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹本 稔 神奈川工科大学, 工学部, 助手 (70288215)
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Keywords | マイクロ波 / マイクロ波誘電体 / ペロブスカイト / 比誘電率 / 誘電損失 / イオン置換 / 弾性定数 / 音速 |
Research Abstract |
1. 弾性定数と誘電性との相関 調合組成が(Ba_<1-x>Ca_x)(Mg_<1/3>Ta_<2/3>)O_3である一連の緻密な焼結体試料の縦波と横波の音速を、超音波パルス法により測定し、それらから各種弾性定数を算出した。これら試料については常圧下での誘電性ならびに静電容量の圧力依存性を最高1.5GPaの範囲で先に測定している。従って、弾性定数と誘電性との相関という類例希な次などが判明した。 1-1 単一相固溶領域であるxが0.24以下でヤング率と比誘電率とが見事に相関する。即ち、ヤング率はxとは逆に直線的に減少し、比誘電率は直線的に増加する。この事実は機械的に柔らかさと静電的なそれとが本来的に関係することを確かめている、と解釈される。 1-2 体積弾性率と比誘電率に見られる関係は前記相関に劣る。この差異を比誘電率とヤング率は1次元の変位であるのに対し、体積弾性率は3次元変位の柔らかさであるとの差に起因すると考察した。 1-3 圧縮率と比誘電率の圧力係数とがxが0.24以下で相関した。さらに、剛性率の組成依存性とf・Q値のその形状が良く似ている事に注目した。前者の背景は理解できたが、後者のそれには至らなかった。 2. ペロブスカイトのAサイトアルカリ土類の置換がマイクロ波誘電特性に及ぼす影響 (Ba_<1-x>Ca_x)(M1_<1/2>M2_<1/2>)O_3で表される4調合組成系試料(Ml=Y,Nd: M2=Nb,Ta)の緻密な円盤状焼結体(相対密度が約96%以上)を作製した。その生成相を粉末X線回折法により同定し、さらにマイクロ波誘電特性を測定した。まだ予備実験段階の状態であるが、先に研究したBサイトが(M1_<1/3>M2_<2/3>)の系で得られた結果との共通あるいは相違点が明らかになりつつある。なお、(Ba_<1-x>Ca_x)(Nd_<1/2>Ta_<1/2>)O_3の生成相は他の3組成系ならびに従来系とは全く異なった。Caイオン半径がBサイトイオン半径と接近するため、組成式の期待とは異なった広範なイオン置換が可能なための現象と考えられる。
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[Publications] 福原幹夫: "(Ba_<1-x>Ca_x)(Mg_<1/3>Ta_<2/3>)0_3固溶体の機械的性質と常誘電性との関係" 日本セラミックス協会1998年年会講演予稿集. 516 (1998)
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[Publications] Hiroyuki IKAWA: "Paraelectric and elastic properties of ceramics with nominal composition (A_<1-x>A′x)(BB′)O_3(A,A′=Ba,Sr,Ca)" Proceedings volume of the IEEE,ISAFXI. (印刷中). (1999)