1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650748
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
前川 善一郎 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (60047149)
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Keywords | セル構造体 / 木質材料 / ハニカム複合材料 / 振動特性 / 音響特性 |
Research Abstract |
セル構造体とは、空隙を積極的に利用して軽量化を図った、気孔率が約70%以上の材料であり、個々の気孔とそれを取り囲む固体を一つの構造単位(セル)と見なすことができるため、このように名称されている。本研究では、セル構造体として木質材料の天然材料とハニカム構造の人工材料を選び、セル構造体の振動機構および音響機構の解明を実験とシミュレーションの両面から行うものである。その結果にもとづき、減衰能の小さい音響特性のすぐれた、木質材料とハニカム複合材料を複合化した新材料の開発を目指したものである。 本年度では、音響特性の異なる数種の木質材料の振動試験を行った。実験材料として、音響特性に優れているシトカスプルス、ドイツトウヒ、えぞ松の3種類と音響特性に優れていないマホガニ-材を選び、振動実験を行った。打点法と非接触速度計により得られたデータをFFT振動解析システム(購入設備備品)にかけ、固有振動数および損失係数を求めた。木質材料の木目配向角および比重が固有振動数および損失係数に及ぼす影響を調べた。その結果、音響特性の優れた材料の特性を明確にすることができた。 つぎに、ハニカム複合材料と木質材料の接着板の作製方法の検討を行い、接着剤の影響についての知見を得た。今後、試験片を系統的に作製して振動および音響の実験データを構築する予定である。
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