1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650756
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小田 克郎 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (80177229)
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Keywords | リラクサー型強誘電体 / 散漫相転移 / ペロブスカイト型構造 / 強誘電特性 / 微細構造 / 分域壁 |
Research Abstract |
前々年度、前年度に引き続き、リラクサー型強誘電体薄膜を作製するための作製手段としてイオンビームスパッタ装置を立ち上げた。本装置ではアルゴンイオンガンからアルゴンイオンで金属ターゲットを照射してPb,Fe,Nb等の活性金属原子を基板上へとばし、さらに別の酸素ガンから活性酸素原子を基板上へ照射して基板上で金属原子の酸化反応を起こさせる。その際に、金属ターゲットは面内意回転式となっており、複数のターゲットを取り付けることができる。各ターゲットごとでの回転速度を変えることにより薄膜の組成をコントロールする。酸素ガンと回転式ターゲットを組み合わせて多元系金属複合酸化物薄膜を作製する。また、本年度は基盤ヒーターのパワーを上げて、基盤温度を500℃まで上げるような改造を行った。その結果、前年度より低いパワーのヒーターを用いて作製した薄膜に比べて非常に緻密でかつ完全に(111)配向した高品質なPb(Nb_<0.5>Fe_<0.5>)O_3薄膜の作製に成功した。薄膜の緻密性はAFM観察により確認している。また、強誘電特性を測定した結果、誘電分極のヒステリシスループが強誘電状態のみならず、誘電率のピーク温度以上でも観測され、リラクサー型強誘電体薄膜が作製できたことが確認された。また、誘電率のピーク温度は100℃で、バルク材での値とほぼ一致した。 その他に、バルク材のPb(Zr,Ti)O_3の強誘電分散についても調べ、分域壁の易動度を定量的に求めた。その結果、分域壁は菱面体晶中での方が正方晶中でよりも動きやすいことがわかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Katsuro Oda: "Diffuse Phase Transition in Pb(Fe_<0.5>Nb_<0.5>)O_3"Proc. of PRICM3, The Mineral, Metals & Materials Society. 1239-1244 (1998)
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[Publications] Katsuro Oda et al.: "Dielectric Dispersion in PZT Ceramics"Transactions of MRS-J. 24・1. 97-100 (1999)