1997 Fiscal Year Annual Research Report
ECAP法で作製した超微細粒合金の組織安定性とホール・ペッチの関係
Project/Area Number |
09650764
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
古川 稔 福岡教育大学, 教育学部, 助教授 (90112276)
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Keywords | ECAP法 / 強ひずみ加工 / せん断変形 / サブミクロン結晶粒 / 組織安定性 / 超塑性特性 / Hall-Petchの関係 |
Research Abstract |
ECAP法による結晶粒微細化をAl-3%Mg、Al-5.5%Mg-2.2%Li-0.12%Zr(01420Al)、Al-6%Cu-0.4%Zr(Supral)およびZn-22%Al合金について調べた。室温で4回プレスしたAl-3%Mg合金では結晶粒径が0.2μm、400℃で4回プレスした01420Al合金では1.2μm、400℃で8回さらに200℃で4回プレスしたSupralでは0.5μm、100℃で8回プレスしたZn-22%Al合金では0.6μmのサブミクロン結晶粒が得られた。 01420Al合金については、400℃で8回の後200℃で4回プレスすることにより、結晶粒径は前述のものと変わらないが、より均一等軸粒の結晶粒が得られた。このことは、均一組織を得るためにはプレス回数が大きな因子であることを示している。 Al-3%Mg合金と01420Al合金について、各温度で1時間ずつ等温焼鈍した結果、Al-3%Mg合金では150℃以上になると急激に粒成長を起こすが、01420Al合金では400℃まで微細粒を保ち組織が安定であることがわかった。このことは、微細粒の熱的安定化にはAlに対して再結晶抑制効果をもつAl_3Zrの存在が有効であることを示している。 高温における引張試験の結果、ECAP法で微細化しだ材料においては、01420Al合金の場合350℃,10^<-2>s^<-1>のひずみ速度で118脇、Supralの場合300℃,10^<-2>s^<-1>で970%の超塑性伸びを示した。これらの超塑性発現の条件は、従来のECAP法を施さない材料で報告されている条件より低温度でしかも高ひずみ速度であった。 繰り返しECAPする際に金型に試料を挿入する方法には、試料を回転させない、90°ずつ回転、および180°ずつ回転させる方法が考えられるが、純AlおよびAl-1%Mg合金を使って調べた結果、プレスごとに90°ずつ回転させる方法において、もっとも効果約に均一微細等軸結晶粒が得られることがわかった。この結果は単純なせん断モデルによって予測したものとよく一致した。
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[Publications] 古川 稔,堀田善治,根本實,R.Z.Ualiev,T.G.Langdon: "Microstructural Characteristics of an Ultrafine Grain Metal Processed with Equal-Channel Angular Pressing." Materials Characterization. 37巻. 277-283 (1997)
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[Publications] 堀田善治,D.J.Smith,古川 稔,根本 實,R.Z.Valiev,T.G.Langdon: "Evolution of Grain Boundary Structure in Submicrometer -Grained Al-Mg Alloy" Materials Characterization. 37巻. 285-295 (1997)
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[Publications] 古川稔,〜 Langdon: "Recrystallization in Boundaries." Proceedings of Rex'96. 149-160 (1997)
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[Publications] 古川 稔,岩橋芳憲,堀田善治,根本 實,N.K.Tsenev,R.Z.Valiev,T.G.Langdon: "Structural Evolution and the Hall-Peteh Relatcon Ship in an Al-Mg-Li-Zr Alloy with Ultra-Fine Grain Size" Acta Metallurgica et Materiallia. 45巻・11号. 4751-4757 (1997)
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[Publications] 古川 稔,Y.Ma,堀田善治,根本實,R.Z.Valiev,T.G.Langdon: "Microstructural Characteristics and Superplartic Ductility in a Zn-22%Al Alloy with Submicrometer Grain Size" Materials Science and Engineering A. 241巻・1〜2号. 122-128 (1998)