1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650767
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Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
高島 和希 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (60163193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
頓田 英機 熊本大学, 工学部, 教授 (90040386)
下条 雅幸 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (00242313)
肥後 矢吉 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (30016802)
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Keywords | チタン / 単結晶 / 疲労 / 結晶方位 / き裂伝播速度 / き裂伝播機構 / すべり / 双晶 |
Research Abstract |
本研究では、HCP金属であるチタン単結晶について切欠き方位を種々変えて疲労き裂伝播試験を行ない、疲労き裂伝播の結晶方位依存性を調べることによって、疲労き裂伝播の微視機構を明らかにすることを目的としている。平成9年度において、き裂先端で柱面すべりが働くような方位では、き裂先端で交差する2組の柱面すべりの活動によって疲労き裂が伝播することを明らかにしたが、その他の方位におけるき裂伝播機構の詳細については明らかにできなかった。そこで、平成10年度においては、切欠き面が底面のときのき裂伝播機構を明らかにすることを目的とした。 出発材料には純チタン圧延板を使用し、これより粗大結晶粒試料を歪焼鈍法によって作製した。これより2種類のコンパクト試験片(切り欠き面および切り欠き方向が、(0001)[1010]のものをE試験片、(0001)[2110]のものをF試験片と呼ぶ)を切り出した。疲労き裂伝播試験は室温大気中で、油圧サーボ型試験機を用いて行った。 E、F両試験片において、き裂は(0001)にそって伝播し、高ΔK領域のき裂面近傍では{1012}双晶のトレースが、また、破面にはこの双晶界面と関連するパターンが観察された。低ΔK領域では、破面は無特徴の様相を呈していたが、FE-SEMを用いて高倍率で破面観察を行ったところ、約30nm程度の間隔のすじ状模様が観察された。これらのすじ状模様の間隔は巨視的なき裂伝播速度と一致することから、ストライエーションと考えられる。これらのストライエーションは、E試験片ではき裂伝播方向に対して、垂直ならびに30゚の角度を有しており、F試験片では、垂直ならびに60゚の角度を有していた。結晶学的な考察から、これらのストライエーションは錐面すべりの交互の活動によって形成されたものと推察された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Takashima et.al.: "Fatigue Crack Propagation in Titanium Single Crystals" Key Engineering Materials. 145-149. 721-726 (1998)
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[Publications] 高島 和希 他: "チタン単結晶における疲労き裂伝播の結晶方位依存性" 日本金属学会誌. 62. 708-717 (1998)