ガスデポジション法による繊維強化チタン基複合材料の開発

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09650768
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
• Research Institution: Kogakuin University
• Principal Investigator: 丹羽 直毅 工学院大学, 工学部, 教授 (30011208)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 鈴木 敏之 工学院大学, 工学部, 教授 (90206508) ; 塩田 一路 工学院大学, 工学部, 教授 (90255612) ; 岸 輝雄 東京大学, 先端科学研究センター, 教授 (40011085)
• Keywords: FRM / チタン / チタン合金 / 構造材料

Research Abstract

本研究は、焼結法における繊維とチタン合金マトリックス間界面の制御の困難さや、箔を用いた方法の箔製造の困難さ等の種々の問題点を解決できるガスデポジション(GD)法による高比強度TMC(チタン基複合材料)の作製を目的としている。
今年度は上記のように材料開発に必要不可欠な基礎的研究すなわち、TMCを作製するにあたりGD装置の基礎的パラメータの評価並びにその制御性等について調査・検討した。
まず、TMC作製するため、新たに炭素繊維固定ステージを組み込んだ事による積層状態の調査を試みた結果、GD装置の制御パラメータと基板上に積層する積層量との相関関係が得られ、積層量の再現性も確認された。
また、GD装置によって積層させたTiとTi基板との密着性については良好の結果が得られ、作製した試料を600℃までの熱処理をおこなったが、Ti基板との剥離は認められず他材料基板を使用した際、剥離した事実と比較しても構造材料として現段階において十分適用できることが判明した。
今年度の研究成果によって、GD法による材料開発がその成膜速度からも非常に実用的な材料開発法として有効であるということと、積層状態・基板との密着性からTMC開発に適用可能であるということが明らかとなった。
また、実質的なTMCの開発に有用な研究データ収集が揃った事により、来年度からの開発指針が立ち、来年度おこなう予定である繊維とTi合金マトリックスとの親和性(界面近傍での状態)を電子顕微鏡による観察並びに各種特性試験をおこなう準備が整い、界面における相生成過程・応力による材料破壊メカニズムの解析をおこなえる等TMC開発第一段階が終了し、第二段階へ進む目途が立った。