1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650769
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Research Institution | Tokai university |
Principal Investigator |
広瀬 洋一 東海大学, 工学部, 教授 (90049726)
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Keywords | CVDダイヤモンド / ダイヤモンド結晶 / 平板状ダイヤモンド / ダイヤモンド合成 / ラマン分光 / 偏光ラマン / 表面処理 / 結晶方位 |
Research Abstract |
本研究はCVD法(化学気相成長法)を用いて大型平板状ダイヤモンド結晶の合成と高品質化および成長条件の確立と生成率の向上を目的としている。検討事項と成果は1)基板材質にはCu(銅)が最適である。2)基板処理法として、炭化硅素(SiC)微粉末で基板表面を鏡面になるまで研磨する。3)成長条件としては、アセチレン(C_2 H_2)と酸素(O_2)の比が0. 95〜0.99、核形成の基板温度Tnは500℃、結晶成長の基板温度Tcgは900℃が適している。4)核形成温度から結晶成長温度へは素早い応答が必要であり、そのために基板の上下からの加熱法を用いる装置を製作した。5)2)〜4)の結果から結晶成長に費やす時間が2〜3分と従来の半分に出来ること。6)平板状ダイヤモンド結晶の生成率は10〜30%から80〜90%に向上させることが出来た。7)生成率が向上した証拠として3、4個の平板状ダイヤモンド結晶が合体した、特異な形状の平板状結晶をSEM観察で初めて確認した。8)平板状ダイヤモンドの結晶性と品質の評価には偏光ラマン分光法が有効であり、半値幅とラマン強度の比を算出することで、ダイヤモンド自身の結晶性を詳細に評価できる事を見いだし、天然ダイヤモンドと高温高圧法で合成したIb型ダイヤモンドのランク分けに有効である事が分かった。9)平板状結晶はSi ((111)面基板上に方位整合して成長し、品質は天然ダイヤモンドと同等の高品質である。 この研究に関連する実験として10)ダイヤモンドを陰極に用いた直流プラズマCVD法で、低い放電電圧250〜300V、低い基板温度700℃でプラズマを形成でき、膜質の良いダイヤモンド薄膜の析出に成功した事である。
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[Publications] 大島龍司: "偏光ラマン分光分析法による平板状ダイヤモンドの評価" 表面技術. 48巻,5号. 567-568 (1997)
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[Publications] R.Ohshima: "Characterization of Diamond Crystals by Polarized Raman Spectroscopy" Diamond Films and Technology. 7巻,5号. 333-335 (1997)
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[Publications] 廣沢さくら: "陰極にダイヤモンドを用いた直流プラズマCVD法によるダイヤモンド薄膜の合成" 表面技術. 49巻・1号. 94-95 (1998)
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[Publications] 阿部匡朗: "ダイヤモンド陰極を低温にした直流放電プラズマCVD法によるダイヤモンド薄膜の合成" 表面技術. 49巻・6号. 655-656 (1998)
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[Publications] 広瀬洋一: "平板状ダイヤモンド結晶における生成条件の検討" 表面技術. 50巻,5号(発表予定). (1999)