1997 Fiscal Year Annual Research Report
電気泳動電着法による超耐アルカリ性ゾル/ゲル皮膜の新コーティングプロセスの開発
Project/Area Number |
09650774
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
平井 伸治 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (10208796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋影 和宜 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (70005346)
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Keywords | 電気泳動電着 / ゾル / ゲル被覆 / 紫外線照射 / ジルコニウム酸化物 / アルミニウム陽極酸化皮膜 / 超耐アルカリ性 / コーティングプロセス |
Research Abstract |
ゾル溶液中に浸漬した基板と対極との間に電圧を印加させ、強制的にゾルのコロイド粒子を基板に泳動・電着させる電気泳動法により、緻密かつ被覆層を短時間で形成するプロセスの構築を図った。A1板に100〜150nmと約1nmの細孔径を有する厚さ約1μmの陽極酸化皮膜を作製し基板として用いた。ゾル溶液はモル比でZr(O-iBu)_4、DEG、H_2O、EtOH=1:2:2:50の割合に調整したものを用いた。基板をゾル溶液に浸漬してから、基板を陰極、Pt板を陽極として4〜100V/cmの電位勾配で一定電圧を所定時間印加した後、基板を3mm/sの一定速度で引上げ、続いて大気中乾燥、常温における紫外線照射を行った。なお、被覆による基板の単位面積当たりの質量増加を被覆量として表した。被覆量はHelmholts-Smoluchowskiの式に従い、電位勾配、印加時間及びゾル溶液中のアルコキシド濃度の増加とともに増大した。例えばX=1の粘度1.6mPa・sのゾル溶液を用いて100V/cmで1.8ksの電気泳動により作製した複合層皮膜は、従来の573Kの加熱処理を行いディップコーティングを8回繰り返して作製した皮膜とほぼ一致する被覆量に達した。また、同じ被覆量の皮膜は、X=2の粘度1.8mPa・sのゾル溶液を用いた場合、125V/cmでは0.6ksの電気泳動により得られた。これらの皮膜断面のFE-SEM観察の結果、被覆層の厚さはディップコーティング法より電気泳動電着法の方が薄くなったが、陽極酸化皮膜の多孔質層においてかつてないZr酸化物の充填が観察された。さらに、泳動時間を短縮するために、X=1のゾル溶液を用い、基板のゾル溶液への浸漬から100V/cmにて0.12ksの電気泳動、続いて乾燥・紫外線照射までの一連の操作を3回繰り返した結果、多孔質層におけるZr酸化物の充填と被覆層の厚膜化が進行することが判った。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Shinji Hirai: "Alkakine Corrosion Resistance of Anodized Aluminum Coated with Zirconium Oxide by Sol-Gel Process" J.Am.Ceram.Soc.
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[Publications] Shinji Hirai: "Zircomium Oxide Coating on Anodized Aluminum by Sol-Gel Process Combined with UV-Irradiation at an Ambient Temperature" J.Am.Ceram.Soc.
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[Publications] Shinji Hirai: "Sol-Gel Coating on Anodized Aluminum by Electrophoretic Deposition Method" J.Am.Ceram.Soc.