1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650777
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村山 洋之介 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60111308)
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Keywords | 高温構造材料 / 破壊靭性 / メカニカルアロイング / 高温強度 / 高融点金属間化合物 / ニオブ合金 |
Research Abstract |
ductile phase tougheningを期待した複相合金の場合、組織の熱的な安定性と靭性改善に延性相が十分機能することが重要である。Nb-Si-Al系は延性相としてのNb固溶体の周りをNb_3AlとNb_5Si_3といった高融点金属間化合物が取り巻いておりこのような複相合金として魅力的である。しかし、Nb-Al系では、Nb固溶体中のAl固溶量が多いため十分な靭性をもった複相合金が得られず、Nb-Si系では耐酸化性に問題がある。前年度までに、Nb-Si-Al系は靭性、高温強度、耐酸化性のバランスのとれた高温構造材料としての可能性があることを示した。 本年度はNb-Si-Al系の状態図調査を行い、高融点金属間化合物相と平衡相となるNb固溶体の(Si+Al)量を調査し、平衡相としてのNb固溶体およびNb_3Al,Nb_5Si_3との2相および3相材の靭性よび強度を調べ、固溶体の性質が複相合金の靭性、強度および変形挙動にどのように反映されるのについての知見を得ることを目的とした。 本年度得られた主な結果は以下の通りである。(1)Nb-Si-Al三元系において、Nb_3Alと平衡するNb固溶体のSi+Al量は、Nb-NB_3Al二元系でNb_3Alと平衡するNb固溶体のAl量に比べSi添加により約1/2まで減少する。(2)SP試験によるSPエネルギーはSi+Al量が少ないNb固溶体ほど大きく、靭性が向上する。(3)複相材においても固溶体のSi+Al量の減少により靭性は向上する。(4)同じSi+Al量の固溶体で体積分率を変えた複相合金の体積分率と靭性は必ずしも直線関係にならない。靭性の高い固溶体を構成相とするほど、複相合金の靭性は複合則から期待される靭性値よりも低くなる。(5)同じSi+Al量の固溶体で体積分率を変えた複相合金の強度と靭性は逆比例の関係にある。(6)同じ体積分率でSi+Al量の異なる固溶体を含む複相合金のSi+Al量と強度の関係は直線関係にならず、3相域に強度のピークがある。
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