1997 Fiscal Year Annual Research Report
CVDダイヤモンド薄膜のヘテロエピタキシャル成長における大面積化
Project/Area Number |
09650781
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
光田 好孝 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (20212235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
虫明 克彦 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (10092347)
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Keywords | ダイヤモンド薄膜 / CVD / エピタキシャル成長 / 高配向成長 / バイアス印加前処理 / マイクロ波プラズマ / 大面積堆積 |
Research Abstract |
基板に直流バイアスを印加する前処理により、SiやSiC上に高配向のダイヤモンド膜が形成することが報告されているが、高々1cm角程度の面積にしか実現されていない。これは主に基板上のプラズマの不均一性に起因しており、プロセスの改良によるプラズマの均一化が重要であると思われる。そこで、本研究では、ダイヤモンド膜の実用化に向け、大面積に高配向膜を形成するプロセスの確立を目的とし、新たなマイクロ波プラズマ装置を開発を目指す。 通常の短形導波管モードから円筒導波管モードへマイクロ波を変換し、減圧環境の円筒共振器内でプラズマを発生させる、エンドランチ型マイクロ波プラズマCVD装置の設計を行った。工業用周波数である2.45GHzの周波数にあわせて、φ120の円筒共振器による装置を試作したところ、本装置により4inch径のSi上へのダイヤモンド膜形成が可能となった。通常の石英管型マイクロ波CVD装置と比較して、堆積面積では25倍となったものの、堆積速度は約1/3程度となった。これは、プラズマの単位体積あたりのエネルギー密度が低いためと考えられる。 また、基板バイアス印加前処理も再現性よく行えるようになったが、雰囲気の水素や炭化水素により、ダイヤモンド形成に重要な温度制御機構がダメ-ジを受ける、またマイクロ波導入側の真空を封じている石英板が炭化しマイクロ波の伝搬を妨げる等の問題点も明らかとなった。現在、更なる装置改良を進めており、この結果大面積高配向成長が可能となるものと考えている。
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