1997 Fiscal Year Annual Research Report
イオン注入によるチタン-アルミ系金属間化合物の高温耐酸化性向上に関する研究
Project/Area Number |
09650785
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷口 滋次 大阪大学, 工学部, 助教授 (50029196)
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Keywords | チタン-アルミ / 高温酸化 / イオン注入 / アルミナスケール / 酸素 |
Research Abstract |
寸法15x10x2(mm)で、TiとAlの比がほぼ1のTiAlの板状試料に、Nb、Cr、Si、Ar、Alをイオン注入した。注入量は、Nbについては、10^<18>〜1.2x10^<21>ions・m^<-2>の4種類で、Cr、Arは1.2x10^<21>ions・m^<-2>他は10^<21>ions・m^<-2>である。これらの試料について、大気圧下の酸素雰囲気中、室温〜1200Kの範囲における繰り返し酸化試験を行った。さらに、所定時間酸化した試料を作成し、形成されたスケールの性状を、X線回折、EPMA、EDSなどで調査した。Nbを10^<20>および1.2x10^<21>ions・m^<-2>注入すると、Al_2O_3を主体したスケールが形成され、耐酸化性が非常に向上する。300サイクル(1080ks)後でもスケールは剥離しない。酸化前の試料では、注入されたNbは深さ〜50nmに濃化し、35at%近くに達していた。このNbの濃化が優れた耐酸化性をもたらしたと考えられる。これに対し、より少ないNb注入量では、スケールはTiO_2とAl_2O_3の混合したものとなり耐酸化性は向上しない。Nbの濃化の程度が不十分であったと思われる。CrあるいはSiを注入すると、短時間の間は耐酸化性をある程度向上させるが、スケールはTiO_2とAl_2O_3の混合したものとなり、長時間保護性を維持できない。ArあるいはAlの注入は、酸化初期から大きい酸化増量をもたらし、耐酸化性向上に寄与しない。特に、Arの注入は酸化を加速した.このことは、単なる格子欠陥の導入では、TiAlの耐酸化性が向上しないことを示している。
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Research Products
(1 results)