1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650794
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
瀬尾 健二 姫路工業大学, 工学部, 教授 (70047603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日下 正広 姫路工業大学, 工学部, 助手 (40244686)
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Keywords | 破壊力学 / 機能性薄膜 / エネルギー解放率 / はく離強度 / 接着強度 / ピ-ル試験 / 補強膜 |
Research Abstract |
蒸着膜、スパッタリング膜、メッキ膜といった数μmから数百μmの膜厚を持つ機能性薄膜の付着力を、物理的に意味を持ついわゆるはく離強度として正確に測定できる方法を確立し、機能性薄膜の信頼性向上を目的として研究を進め、以下の成果を得た。 [1]薄膜のはく離試験を行うに当たって、薄膜の付着面に平行な力すなわちせん断力が発生しないように工夫した精密はく離試験治具を設計・製作した。この治具を引張試験機に取り付け薄膜端部から薄膜を引張り、ピ-ルはく離させる。はく離試験中のはく離荷重および荷重点変位を連続的に精度良く、マイコンに自動的に取り込めるよう計装化した。また薄膜のはく離試験中のはく離位置を正確に測定できるようにした。 [2]薄膜のはく離時の荷重Pと薄膜のはく離位置までの距離、さらに薄膜のヤング率Ea、基板のヤング率Ebをパラメータとしてはく離試験時のエネルギー解放率の算定式を誘導した。 [3]はく離試験の際、薄膜に直接力を加えると、薄膜が破壊し、はく離強度を求めることができない。そこで実際のはく離試験では薄膜の上に適当な性質の厚膜を補強して実験を行う。そのため補強した厚膜のヤング率Ecおよび補強膜の厚さdをもパラメータとして考慮したエネルギー解放率算定式を誘導した。 [4]製作したはく離試験装置を用いて、試みにセロハンテープのはく離強度を限界エネルギー解放率の値として求めた。得られた値は補強膜の種類・厚さ、さらにはく離位置に関係のない一定の値が得られ、はく離強度が定量的に求められることが明らかになった。
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