1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650794
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
瀬尾 健二 姫路工業大学, 工学部, 教授 (70047603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日下 正広 姫路工業大学, 工学部, 助手 (40244686)
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Keywords | 機能性薄膜 / 破壊力学 / エネルギー解放率 / はく離強度 / 接着強度 / ピール試験 / 補強膜 / 窒化チタン薄膜 |
Research Abstract |
蒸着膜、スパッタリング膜、メッキ膜といった数μmから数百μmの膜厚を持つ機能性薄膜の付着力を、物理的に意味を持ついわゆるはく離強度として正確に測定できる方法を確立し、機能性薄膜の信頼性向上を目的として研究を進め、本年度は以下の成果を得た。 1.SUS304ステンレス基板上にイオンプレーティング窒化チタン薄膜を被覆するための成膜条件を検討した。その結果、チタン蒸発速度5Å/sec、窒素イオン電源2keVで膜厚1.0μmの良好な薄膜を生成することが出来た。 2.上記条件でステンレス基板上に薄膜を被覆した短冊形試験片を準備し、この試験片に一昨年度研究で製作したはく離試験装置を用いて窒化チタン薄膜のはく離試験を行った。はく離試験に際しては昨年度の研究で明らかにした適当な補強板の選択条件に基づいて、0.5mmの鋼板の補強板を用いた。製作された窒化チタン薄膜は非常に良好な皮膜特性を持ち、また基板に対して非常に強いはく離特性を有しており、本実験においては、薄膜のはく離は全く生じなかった。この結果より、製作された窒化チタン膜は工業的使用においては十分信頼性のある皮膜であることが明らかになった。 3.無電解Niメッキ膜、塗装膜といった機能性薄膜の信頼性向上のため、はく離強度の評価方法を検討し、適当な補強板を付けた実験と破壊力学的考察を用いることにより、合理的にははく離強度を求められることが明らかになった。
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