1997 Fiscal Year Annual Research Report
高純度非水溶媒からの電解析出による希土類金属薄膜作製プロセスの開発
Project/Area Number |
09650808
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平藤 哲司 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70208833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
邑瀬 邦明 京都大学, 工学研究科, 助手 (30283633)
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Keywords | 希土類 / 電析 / 非水溶媒 / 室温溶融塩 / 常温溶融塩 / トリフラート / ユウロピウム / ネオジム |
Research Abstract |
本研究では、磁性材料として用いられている希土類合金の薄膜を得る手段として電析による製膜法を検討すべく、電析浴として室温溶融塩中に希土類塩を溶解し、浴中での希土類の酸化還元挙動を調べた。 まず、室温溶融塩1-エチル-3-メチルイミダゾリウムカチオンのトリフルオロメタンスルホン酸塩(EMITfO)およびトリフルオロメタンスルホンイミド(EMITf_2N)を合成し、希土類塩の溶解性を調べ、浴中でのサイクリックボルタンメトリーと定電流電解により室温溶融塩中での希土類の酸化還元挙動について調べ、以下の結果を得た。 (1)希土類塩Eu(TfO)_3およびNd(TfO)_3は室温溶融塩EMITfO中には少なくとも0.1M溶解したが室温溶融塩EMITf_2N中にはほとんど溶解しなかった。また、希土類塩Eu(Tf_2N)_3およびNd(Tf_2N)_3は室温溶融塩EMITfO中およびEMITf_2N中に少なくとも0.1M溶解した。 (2)EMITf_2N中での反応Eu^<3+>+e=Eu^<2+>の酸化還元電位はEMITfO中での酸化還元電位に比べて約1.5V正の方向にシフトしていた。このことから希土類金属の電析浴の溶媒としては、希土類がより貴な電位で酸化還元反応を行うEMITf_2Nがより適していると考えられる。(1)、(2)については、室温溶融塩のアニオンであるTfO^-がTf_2N^-に比べてルイス塩基性が高いため希土類イオンとの結びつきが強いことに起因すると考えられる。 (3)EMITfOおよびEMITf_2Nは約4.0Vの電位窓を有することがわかった。 (4)EMITfO中にNd(TfO)_3を0.08M溶解した溶融塩を1mAで定電流電解後、溶融塩の紫外可視吸収スペクトルを測定したところ、Nd^<3+>の量を表す吸収強度が減少した。このことからNd金属が電析している可能性がある。
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