1999 Fiscal Year Annual Research Report
液相アルミニウム中でのテルミット反応によって合成された分散粒子の微細化
Project/Area Number |
09650814
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
辻川 正人 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (90172006)
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Keywords | 金属基粒子分散複合材料 / アルミナ粒子 / アルミニウム合金 / テルミット反応 / 溶湯攪拌 / 鋳造法 / 耐摩耗材料 |
Research Abstract |
耐摩擦・耐摩耗性の向上を目指した金属基粒子分散複合材料の鋳造による成型に必要な粒子分散スラリーの作成法として簡単な溶湯攪拌法が試みられている。しかし、酸化物は強力に雰囲気がスを吸着しており、見掛け上の気液の界面エネルギーが低く、金属溶湯との濡れ性は悪い。 アルミニウム溶湯中を攪拌しにシリカ粒子を混入すると、アルミニウムとシリコンの酸化物生成の自由エネルギーに差があることから、安定なアルミナが生成される。このとき余剰の熱エネルギーが放出される。この不可逆な反応によって、シリカのアルミニウム溶湯への混入は、アルミナそのものを混入するより、はるかに容易となる。 反応直後のアルミナは、微細で多孔質であり、アルミニウム溶湯と混在して、混入したシリカ粒子の形状寸法を保つことを明らかとなった。約200nmのアルミナ粒が60vol%の密度で存在し、界面エネルギーの高い不安定状態であることがTEM観察により明らかとなった。この反応後の溶湯を攪拌し続けることによって、アルミニウム溶湯中でのアルミナの凝集が進行し、アルミナ送の組織は変化していく。この組織変化は温度の影響を受けるため、高温では、粗大なネットワークを形成し、見掛け上は混入したシリカ粒子の寸法のままのアルミナとなった。また、温度が低いと凝集は進まず、反応直後の微細・多孔質で混入したシリカと同形状で同じ大きさを持つアルミナ粒のままとなった。 最適な保持温度の時、アルミナの凝集が進む過程で、アルミナは独立しマトリックス溶湯中へ分散していくことが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)