1997 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界流体技術による流動層微粒子コーティング造粒プロセスの開発
Project/Area Number |
09650822
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堤 敦司 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (00188591)
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Keywords | 超臨界流体 / コーティング造粒 / 超臨界噴出法 / 流動層 / 微粒子コーティング |
Research Abstract |
核粒子表面を微粒子で被覆するコーティング造粒技術は、新しい機能性を持つ粒子を設計する方法として広範な分野で開発・研究が進められている。特に医薬分野では、ドラックデリバリーシステムの中心技術として開発が進められている。従来の流動層コーティング造粒では、バインダー溶液を層内に噴霧し、溶媒を乾燥させて核粒子表面にコーティング粒子の被覆層を形成させて、造粒を行う。従来法は簡単で大量処理が容易であるが、噴霧する溶液による液橋によって過度の凝集が起こりやすく、このため制御が難しく、特に微粒子を取り扱うのが困難であった。この従来法に替わるプロセスとして、超臨界噴出法を用い核粒子と微粒子を混合・流動化させた流動層中にバインダーを溶解させた超臨界溶液を噴出し、核粒子表面上に微粒子を付着させ粒子を成長させるコーティング造粒プロセスの開発を行った。 本年度は、平均粒径130μmのガラスビーズ(核粒子)と平均粒径1μmのシリカ微粒子を混合・流動させた流動層中に、バインダーとしてパラフィンを超臨界CO2中に溶解させ、これを流動層中に噴出させることによりパラフィンを析出させてコーティング造粒を行った。その結果、超臨界CO2中に溶解させたバインダーを急速に噴出することによって析出させ、核粒子に付着している微粒子同士および微粒子と核粒子との間に固体架橋を形成させることによって核粒子表面に微粒子の被覆層を成長させることができた。層内に液相が存在しないため過度の凝集は起こらず、安定なコーティング造粒が可能であることを明らかにした。また、ガス流速が小さい場合は、核粒子表面に均一に付着した微粒子析出することにより、均一な被覆層が形成された。一方、ガス流速が大きい場合は小さい凝集体が生成し、これが核粒子表面に付着し、そこにバインダー物質が析出するため生成した造粒物表面は若干不均質であった。
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