1998 Fiscal Year Annual Research Report
両親媒性分子集合体中における化学反応誘起型構造形成に関する研究
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09650827
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
足立 基齊 京都大学, エネルギー理工学研究所, 講師 (50027140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 誠 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (90027128)
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Keywords | 両親媒性分子 / 分子集合体 / 化学反応 誘起型 / 構造形成 / 高分子 / シリカ / 液晶相 / 逆ミセル |
Research Abstract |
交付申請書に従い、(1)両親媒性分子濃厚下での高分子の重合反応による組織構造形成の研究、及び、(2)両親媒性分子希薄濃度下での重合反応による組織構造形成の研究を実施した。(1)ジ(2エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム(AOT)、キシレン、水系は、逆相タイブの液晶相を形成する。キシレンに代わりスチレンを用い、キシレンの場合と同様に液晶相を形成することを確認した後、精製したスチレンに重合開始剤を加え、液晶相でのスチレンの重合反応を行った。X線小角散乱及び含水量の測定から、水を内部にもつ円筒組織が六法配列した組織が形成されており、重合により組織はより秩序だち、強い骨格をつくることがわかった。(2)ジドデシルジメチルアンモニウムブロミド(DDAB)/シクロヘキサン系逆ミセルにテトラエトキシシラン(TEOS)を加え、TEOSの加水分解及び重合反応の進行に伴う組織構造変化を調べた。塩酸触媒下では、加水分解したTEOSは繊維状重合物が丸まった球状組織とそれらが棒状にクラスター化した組織を形成した。塩酸を水酸化ナトリウムで中和すると、TEOSの重合反応が加速され、クラスター化していた球が接合して長い棒状組織を形成し、この直径がDDABがTEOSなしで形成する棒状逆ミセルの直径と一致することから、DDAB逆ミセル組織が棒状組織を誘導することがわかった。塩基性触媒下では、加水分解したTEOSは重合反応により3次元ネットワーク状に連結した大きな球状組織を形成し、逆ミセル組織は鋳型として働かないことがわかった。正ミセル系におけるアミン系界面活性剤とTEOSから形成されるシリカのナノ組織についても検討し、酸性条件下では界面活性剤とシリカの複合組織が円筒組織を形成し、シリカのナノチューブが形成されること、塩基性下では、種々のモフォロジーをもつ材料が形成されることが見出された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] A.Shioi,M.Harada,M.Obika,M.Adachi: "Structure and Properties of Fluids Composed of Polyelectrolyte and Ionic Surfactant in Organic Phase:Poly(acrylic acid)and Didodecyldimethylammonium Bromide" Langmuir. Vol14,No.17. 4737-4743 (1998)
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[Publications] A.Shioi,M.Harada,M.Obika,M.Adachi: "Structure and Properties of Fluids Composed of Polyelectrolyte and Ionic Surfactant in Organic Phase:Poly(allylamine)and Sodium Bis(2-ethylhexyl)Sulfosuccinate" Langmuir. Vol14,No.20. 5790-5794 (1998)
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[Publications] M.Harada,G.Nonaka,K.Kanaoka,A.Shioi,M.Adachi,N.Mizutani,M.Goto,F.Nakashio: "Characteristics of Solute Transfer in Sodium Dioleil Phosphate/Sodium Bis(2-ethylhexyl)Sulfosuccinate Microemulsion Systems" Journal of Chemical Engineering Japan. Vol.31 No.1. 67-75 (1998)
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[Publications] M.ADACHI,A.SHIOI T.HARADA,M.HARADA: "Formation of Nano-Scale Materials by Templating Mechanism Using Amphiphilic Molecular Assemblies" International Symposium on Environment-Conscious Innovative Materials Processing woth Advanced Energy Sources. (in print).