1998 Fiscal Year Annual Research Report
エマルション反応場を用いる高度にモルホロジー制御された微粒子材料の調整プロセス
Project/Area Number |
09650829
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平井 隆之 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (80208800)
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Keywords | エマルション / 乳化液膜 / 抽出 / 微粒子材料 / 金属しゅう酸塩 / ヒドロキシアパタイト / フェライト / 粒径制御 |
Research Abstract |
従来金属イオンの分離・濃縮を行うことを目的に開発・研究が行われてきたW/O/W型エマルション(乳化液膜)を、微粒子材料の調製場として用いることを検討した。 1. 高度にモルホロジー制御された希土類しゅう酸塩微粒子の調製 W/O/W型エマルション系の外水相中の希土類イオンを液膜相への抽出・内水相への逆抽出を通して輸送し、内水相のしゅう酸と反応させ、希土類しゅう酸塩微粒子を調製した。アルキルリン酸エステル抽出剤に比較して抽出力の弱いアルキルリン酸抽出剤を用いることで、軽希土類から重希土類(イットリウムなど)にわたるほぼすべての希土類元素について、サブミクロンサイズ(直径0.2〜0.6ミクロン)の球形微粒子が調製できた。外水相への仕込み希土類イオン濃度や内水相径の制御により生成粒子径を制御できることを明らかにした。 2. 複合しゅう酸塩微粒子の調製 外水相に2種類の金属イオンを供給した場合、各金属イオンの抽出能や抽出速度の相違により内水相への金属イオンの輸送が制御され、複合微粒子の微細構造が制御できると考えられる。ケーススタデイとしてSr-Pb複合しゅう酸塩およびFe-Co・Fe-Ni複合しゅう酸塩微粒子を調製した。その結果、前者ではSrしゅう酸塩中にPbしゅう酸塩が微細に分散した構造をもつ微粒子が得られること、後者では粒子表面付近がCoまたはNiに富む針状微粒子が得られ、これを焼成することでCoまたはNiフェライトの針状微粒子が得られることを明らかにした。3. Caヒドロキシアパタイト微粒子の調製 Caイオンを外水相から内水相へと輸送させ、内水相でリン酸塩と反応させ沈澱させた。得られたCaヒドロキシアパタイト微粒子は結晶性が低く、若干のCa欠陥を有していたが、サブミクロンサイズの球形微粒子が得られ、粒径およびモルホロジーの制御が可能であることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Hirai,N.Okamoto I.Komasawa: "Preparation of Rare Earth Oxalate Ultrafine Particles in Emulsion Liquid Membrane System Using Carboxylic Acid as Cation Carrier" Journal of Chemical Engineering of Japan. 31(3). 474-477 (1998)
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[Publications] T.Hirai,J.Kobayashi and Isao Komasawa: "Preparation of Composite Sr-Pb Oxalate Fine Particles Using Emulsion Liquid Membrane System" Journal of Chemical Engineering of Japan. 31(5). 787-794 (1998)
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[Publications] T.Hirai,N.Okamoto I.Komasawa: "Preparation of Rare-Earth-Metal Oxalate Spherical Particles in Emulsion Liquid Membrane System Using Alkylphosphinic Acid as Cation Carrier" Langmuir. 14(23). 6648-6653 (1998)
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[Publications] 平井隆之,岡本憲彦,駒沢 勲: "乳化液膜系を反応場として利用する希土類しゅう酸塩微粒子の調整プロセス" 化学工学シンポジウムシリーズ. 63. 78-87 (1998)
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[Publications] 平井隆之,岡本憲彦,駒沢 勲: "乳化液膜を反応場とする希土類しゅう酸塩微粒子の調整プロセス" 希土類(Rare Earth). 32. 114-115 (1998)