1998 Fiscal Year Annual Research Report
SPG乳化法を用いた均一径エマルジョンのマイクロカプセル化と被膜生成機構の解明
Project/Area Number |
09650835
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Research Institution | KYUSHU INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
松野 儀三 九州工業大学, 工学部, 教授 (20039093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鹿毛 浩之 九州工業大学, 工学部, 助教授 (80142355)
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Keywords | マイクロカプセル / ゼラチン / アラビアゴム / コアセルベーション / ケロシン / 多孔質ガラス / エマルジョン / in situ 重合法 |
Research Abstract |
本研究は、応用範囲が広くその必要性が喫緊である液体芯物質のコアセルベーション法によるマイクロカプセル化を、細孔径の揃った多孔質ガラスのシラスポーラスガラス(SPG)で作製した粒径分布を極めて狭いエマルジョンを芯物質として用いることで、一次乳化時の複雑な影響を排除して行い、その結果から基本的なカプセル化機構を解明することが目的である。昨年度の研究に引き続き、本年は以下の研究実績が得られた。 1. SPGモジュールで発生した均一径エマルジョンを芯物質とし、ゼラチンとアラビアゴムからなる複合コアセルベーション法によってケロシン液滴のマイクロカプセル化を行って、昨年に引き続き冷却速度がカプセル膜厚と含有核数に与える影響を検討した。さらに、芯粒子をコアセルベート生成過程の冷却途中で添加し、その添加時期が生成カプセルの形状に与える影響を測定し、カプセル膜形成機構の検討を行った。 2. 冷却過程での撹拌速度を種々変えることによって、生成カプセル形状に与える影響を観察し、マイクロカプセルが20〜30℃間での冷却速度、撹拌速度等の操作条件によって主に決定されることを見出した。この温度域はゼラチンのゲル化温度とほぼ一致している。 3. エマルジョンのカプセル化における実験結果を、先に当研究室で行った固体芯のカプセル化で得られた実験結果と比較検討した結果、両者の間に定性的に極めて類似した共通点の存在することが明白になった。その一方で、両者の相違点も明らかになった。 4. コアセルベーション法によるカプセル化において当初予定した成果がほぼ得られたので、さらにin situ重合法によるカプセル化を固体芯で行い、各操作条件が生成カプセルに与える影響の検討を引き続き行っている。
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