1998 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界状態を含む高圧CO_2の高分子に対する溶解度の測定と相関
Project/Area Number |
09650836
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
本郷 尤 日本大学, 生産工学部, 教授 (20006307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 智也 日本大学, 生産工学部, 講師 (40246848)
大竹 勝人 物質工学工業技術研究所, 化学システム部, 主任研究官
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Keywords | 超臨界二酸化炭素 / ポリスチレン / ポリエチレンテレフタレート / 水晶振動子 / 溶解度 / 拡散係数 |
Research Abstract |
高分子への溶解度の測定に関しては、昨年に引き続き水晶振動子上にポリスチレンを展開し、超臨界二酸化炭素の溶解度を調べるとともに、新たにポリエチレンテレフタレートへの超臨界二酸化炭素の溶解度測定を試みた。また、測定精度の向上と同時に、測定温度および圧力領域の拡大をはかる目的で、水晶振動子の周期信号を乱すことなく増幅する回路を考案した。これに基づき周期信号を自動的に電子計算機で取り込み、かつに処理を行えるように現有の溶解度測定装置を改造および構築した。新規回路については、既に電気信号の健全性の確認を終えており、引き続きポリエチレンテレフタレートへの超臨界二酸化炭素溶解度の測定を行っている。なお、水晶振動子の応答特性を解析したところ、実測される応答信号の経時変化と測定時の境界条件と初期条件を与えた際の拡散方程式のフーリエ級数解を比較することにより、高分子中における二酸化炭素の拡散係数も算出できることが明らかとなったため、高分子薄膜中における超臨界二酸化炭素の拡散係数も今後測定を予定している。これは現在試算を行っている段階にあり、実験が順調に進行すればポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート中における超臨界二酸化炭素の拡散係数測定を開始する。さらに、超臨界二酸化炭素の他、助溶媒効果が期待できる炭化水素やアルコールを添加した系の測定も行いたい。そこで、重量法により任意組成の高圧混合気体試料を調製するための充填装置も作製した。
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[Publications] Miura.K, K.Otake, S.Kurosawa, T.Sako, T.Sugeta, T.Nakane, M.Sato, T.Tsuji, T.Hiaki, M.Hongo: "Solubility of adsorption of high pressure carbon dioxide to poly(stylene)" Fluid Phase Equilibria. 144. 181-189 (1998)