1997 Fiscal Year Annual Research Report
分子インプリント法による新規機能性高分子膜の開発とその応用
Project/Area Number |
09650842
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
小林 高臣 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (90225516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 信行 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (50011119)
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Keywords | 分子インプリント / 高分子膜 / 鋳型分子 / 刷り込み特性 / ポリアクリロニトリル / テオフィリン / カフェイン / 相分離法 |
Research Abstract |
本研究では分子インプリント法を高分子膜の作製過程に適応し、これまでにない全く新しい分子認識膜の開発に成功した。この分子認識膜の作製にはポリアクリロニトリルを溶媒にとかし、これをキャストし、非溶媒浴内で凝固する相分離法を応用した。この際に、鋳型分子であるテオフィリン分子を含んだポリマーキャスト液を用いることで、ポリマー凝固の際に、鋳型分子の形を凝固ポリマー内に形成することができることを、鋳型分子の明らかにした。抽出後に、再び、テオフィリンを取り込ませることにより明らかにした。ここで、ポリアクリロニトリルに鋳型分子であるテオフィリンと水素結合を形成できるアクリル酸やメタクリル酸を共重合したホリアクリロニトリルを相分離に用いた場合に、鋳型分子の高効率な取り込みが発現できることを見いだした。さらに、このポリアクリロニトリル共重合体の膜は、多孔性特性を有するために分離膜としても応用でき、分子篩特性と分子刷り込み認識特性を合わせ持つ機能膜であることが示された。また、テオフィリン以外の基質では、化学構造が類似しているカフェイン他、5種類の基質選択制についても詳細に検討した結果、いずれも高い選択制を有することがわかった。膜の赤外吸収測定の結果は、カルボキシル基とテオフィリンの7位窒素原子の水素原子間の水素結合が、分子刷り込みにもまた、抽出後の基質分子取り込みにも作用していることが証明された。この結果は、水素結合能力を持たないカフェインの取り込みがこの分子認識膜では大変に低いことも説明できた。さらに、興味深いことに、アクリル酸とメタクリル酸の分子認識特性を比較した場合、テオフィリン刷り込み膜の場合には、ウラシルのような水素結合性のテオフィリンよりも分子サイズの小さな基質認識特性に差異が生じた。この結果は、メタクリル酸のメチル基の立体障害性がより高度な認識特性を発現できることを示唆している。現在、この結果を詳細に検討していると共に、アクリロニトリルの重合時に鋳型分子を共存させた場合についても検討している。
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[Publications] H.Y.Wang, T.Kobayashi and N.Fujii: "Molecular imprint membranes perepared by phase inversion techniques (II).Influence of coagulation temperature in phase iversion process on the encoding in polymeric membranes" Langmuir. 13.12A. 5390-5400 (1997)
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[Publications] T.Kobayashi, and N.Fujii: "Molecular imprinted membranes by a phase inversion method" 213th the ACS National Meeting. 155 (1997)
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[Publications] T.Kobayashi, H.Y.Wang and N.Fujil: "Molecular imprint membranes of polyacrylonitrile copolymers with different acrylic acid segments." ANALYTICA CHIMICA ACTA. (in press). (1998)
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[Publications] 深谷雄大、小林高臣、王紅英、藤井信行: "分子インプリント機能を有するポリアクリロニトリルの特性" 第46回高分子学会年次大会要旨集. 46,3. 574 (1997)
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[Publications] 小林高臣、深谷雄大、柴田雅生、藤井信行: "分子インプリント法による高分子膜の機能化" 第12回生体成分の分析シンポジユム講演要旨集. 58-59 (1997)
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[Publications] 吉竹昌也、柴田雅生、小林高臣、藤井信行: "分子インプリントナイロン-6膜の特性評価" 支部合同新潟地方大会 講演要旨集. 82 (1997)
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[Publications] T.Kobayashi, H.Y.Wang and N.Fujii: "ACS symposium series on Molecular and ionic recognition with imprinted polymers" America Chemical Society (in press), (1998)