1998 Fiscal Year Annual Research Report
電気刺激応答型荷電可変膜の応答特性と生体材料素子の開発
Project/Area Number |
09650843
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
須藤 雅夫 静岡大学, 工学部, 教授 (80154615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 元彦 静岡大学, 工学部, 講師 (20195382)
溝口 健作 静岡大学, 工学部, 教授 (60293601)
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Keywords | 荷電可変膜 / イオントフォレシス / ポリピロール / イオン交換膜 / 拡散透析 / 電気透析 / イオンゲート / ドーパント |
Research Abstract |
電気的荷電制御膜(Charge-Controllable Membrane)を用いたイオントフォレシスの操作を分類した。Matrix typeでは、ドープされた薬剤が電気的脱ドープにより放出される。Diffusion dialysis(拡散透析)type及びElectro-dialysis(電気透析)typeでは、荷電制御膜の荷電特性によりイオンゲート効果を示し、薬剤放出を制御する。本研究では、ドーパント種を変化させたポリピロール膜の荷電特性を電気的に変化させて、アミノ酸の拡散透析及び電気透析実験を実施した。荷電制御ポリピロール膜のイオン交換及びイオン輸送特性を明らかにし、薬剤の透過制御の可能性を議論した。ドーパント種は、低分子イオン、中分子イオン、及び高分子イオンを種々に実験した。ドーパント種のイオン半径、移動度、及びドーピング条件により得られた膜の電気化学的特性及びイオン透過特性が制御出来る可能性がある。膜のイオン透過特性を議論する前に、イオンの膜内への流入及び流出の実時間での挙動を測定した。イオン透過流束を増加させるには、膜内構造を多孔質に設計する必要があった。荷電制御膜としての特性は、電気をオン・オフすることで、膜のドーピング状態が変化するので、膜の荷電状態が変化・制御できた。また、膜電位を操作することで、膜の荷電状態を連続的に変化させることが可能であった。膜の荷電状態とイオン交換・透過特性の荷電膜理論からのアプローチを実施し、電位変化での膜電位の関係をTMS理論から考察した。電気刺激応答型イオントフォレシス素子による生体への薬剤導入モードの制御可能性を明らかにした。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 須藤雅夫: "電気精密濾過による発酵液からのタンパク質溶質の選択透過" 化学工学論文集. 24・5. 810-813 (1998)
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[Publications] 須藤雅夫: "微孔膜限界電流値法によるイオン交換膜の動的輸率測定法" 日本海水学会誌. 52・6. 359-366 (1998)
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[Publications] 須藤雅夫: "Evaluation of adsorption properties of bovin serum albumin on TiO_2 menbrane by quartz-crystal microbalane" Membrane. 23・2. 87-94 (1998)
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[Publications] 須藤雅夫: "マイクロダイアサシス・サンプリング法に用いる表面処理透析膜のグルコース透過特性のin viro評価" 化学工学論文集. 24・2. 190-194 (1998)
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[Publications] 須藤雅夫: "皮下組織内グルコース濃度の計測のためのマイクロダイアリシス・プローブの物質移動特性" 化学工学論文集. 24・2. 228-232 (1998)
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[Publications] 須藤雅夫: "イオン交換膜の不均質膜内構造と輸送特性" J.Ion Exchange. 8・4. 202-213 (1997)
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[Publications] 須藤雅夫: "生体工学(化学工学の進歩第32集)分担" 槇書店, 217-230 (1998)
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[Publications] 須藤雅夫: "環境工学(化学工学の進歩第31集)分担" 槇書店, 1-10 (1997)