1997 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロチャンネルマテリアルズの開発と有機物分離への応用
Project/Area Number |
09650847
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
草壁 克己 九州大学, 工学部, 助教授 (30153274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯田 隆聡 九州大学, 工学部, 助手 (70284544)
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Keywords | 無機膜 / 多孔質材料 / ミクロ孔 / ゾルゲル / シリカ / 気体分離 |
Research Abstract |
シリカゾルにテンプレートとして水溶性高分子を加える方法と、TEOSを架橋剤としてテンプレートである長鎖アルキル基を持つエトキシシランを用いる方法でそれぞれ複合ゾルを作成し、これを乾燥してキセロゲルを得た。キセロゲル膜の段階で膜内に均一に分散した有機物(テンプレート)を焼成によって除去し、残った空間をミクロ孔とするマイクロポーラスシリカとし、メソ孔分布およびミクロ孔分布を測定した。また、複含ゾルを多孔質アルミナ管に被覆してシリカ膜として透過特性を測定した。 TEOSで作成したゾルにポリエチレングリコールやα-シクロデキストリン等の水溶性化合物を混合させて、マイクロポーラスシリカを合成した。TEOS単独で作成したシリカにはメソ孔領域には細孔がみられなかった。一方、水溶性化合物を混合させた場合には、径4-6nmのメソ孔が発達することがわかった。これはゾル形成-ゲル化の段階において、シリカ相と水溶性高分子相との間で相分離が起こるために、ナノオーダーの高分子凝集構造ができ、それが焼成することで形成される細孔である。そこで、ゲル形成時における相分離を抑制するために、長鎖アルキル基を持つエトキシシランを用いてシリカを合成した。 オクチルトリエトキシシランとドデシルトリエトキシシランを用いた場合には、ミクロ孔だけが存在するシリカを合成する最適条件が明らかになった。オクチルトリエトキシシランを用いたシリカゾルで、多孔質アルミナ管にシリカ膜を成膜することができ、透過率を測定したところ、水素、二酸化炭素および酸素の分子サイズにおいて分子ふるい性を示すことがわかった。今後はよりミクロ孔径の大きなドデシルトリエトキシシランを用いたシリカ膜を合成し、有機物の透過特性を検討する計画である。
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