1998 Fiscal Year Annual Research Report
キトサンを母体とする農薬の制御徐放製剤及び高性能吸着剤の開発
Project/Area Number |
09650848
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
吉塚 和治 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (70191567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 勝利 佐賀大学, 理工学部, 教授 (90039280)
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Keywords | 吸着 / 薬剤徐放 / 農薬 / キトサン微粒子 / キトサン膜 / 銀 / 白金族金属 / 環境保全技術 |
Research Abstract |
本研究では、海老や蟹の外殻成分であるキチンを脱アセルチル化して得られるバイオ新素材であるキトサンを母体に用いて、キトサンに銀や白金族元素を分子スケールで分散させた貴金属担持キトサン微粒子及びキトサン膜を合成し、これを用いた有機リン系農薬の吸着及び徐放特性について研究した。 (1) 銀担持キトサン微粒子吸着剤の合成 農薬の高性能微粒子吸着剤の合成は、2種類の架橋剤を用いて、キトサンを溶解させた希酢酸水溶液を、乳化剤を含む有機溶媒中へ超音波照射によって微粒子化分散を行い、グルタルアルデヒドあるいはエピクロロヒドリンを加えて微粒子の架橋を行った。その後、微粒子を取り出し水洗後、凍結乾燥させた。構造の観察をIRと電子顕微鏡を用いて行ったところ、形状及び性状が全く異なった微粒子が得られた。また、この2種類のキトサン微粒子を用いて銀担持キトサン微粒子を調製したところ、エピクロロヒドリンで架橋した微粒子への銀の担持量が大きいことが明らかになった。 (2) 銀担持キトサン微粒子吸着剤への農薬の吸脱着平衝実験 水溶液中にメチルパラチオン有機リン系農薬を溶解させた水溶液の中に、2種類の銀担持キトサン微粒子吸着剤を分散懸濁させ、吸着平衡に達せ占めることによって、薬剤の吸着飽和量と水溶液pH、薬剤濃度及び微粒子合成時における銀の担持量との関係を研究した。2種類のキトサン微粒子を比較すると、グルタルアルデヒドで架橋したキトサン微粒子は、銀の担持量は少ないにもかかわらず、農薬の吸着量は大きく、かつ、脱着率も大きいことが明らかになり、農薬の徐放製剤として有効であることが明らかになった。 (3) カラム法による銀担持キトサン微粒子吸着剤への農薬の吸・脱着速度実験 ガラス製の固定床型吸着カラムを用いて農薬の吸着速度実験を行い、吸着速度と吸着飽和量、水溶液pH、農薬濃度及び微粒子合成時における銀の担持量との関係を明らかにした。さらに、農薬の吸着飽和に達したキトサン微粒子吸着剤から農薬の徐放速度実験を行い、吸着剤の再利用効率について研究した。この実験結果より、農薬の吸脱着操作は可逆的に行え、かつ、耐久性に優れていることが明らかになった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] K.Yoshizuka,K.Fujikawa,K,Inoue: "Permeation behavior of cisplatin analogs through chitosan and DOLSA-chitosan hybrid membranes" Journal of Membrane Science. 137. 201-209 (1997)
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[Publications] 井上勝利、吉塚和治、馬場由成: "キトサンおよび科学修飾キトサンの金属イオン吸着・分離特性(その2:オキシン型化学修飾キトサンの金属イオン吸着・分離特性)" 日本イオン交換学会誌. 8(2). 46-53 (1997)
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[Publications] P.Comba,K.Gloe,K.Inoue,T.Krueger,H.Stephan,K.Yoshizuka: "Molecular mechanics calculations and the metal ion selective extraction of lanthanoids" Inorganic Chemistry. 37(13). 3310-3315 (1998)
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[Publications] K.Yoshizuka,Y.Fujimoto,K.Ohto,K.Inoue: "Solvent extraction and QSPR of catecholamines with a bis(2-ethylhexyl)hydrogen phosphate" Journal of Chemical Engineering of Japan. 31(1). 76-81 (1999)
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[Publications] M.Goto,T.Matsumoto,K.Uezu,F.Nakashio,K.Yoshizuka,: "Development and computational modeling of novel bi-functional organophosphorus extractants for lanthanoid separation" Separation Science and Technology. (印刷中). (1999)