1997 Fiscal Year Annual Research Report
ゼオライト細孔内金属酸化物クラスターの構造制御と触媒作用
Project/Area Number |
09650860
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
岡本 康昭 島根大学, 総合理工学部, 教授 (80029553)
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Keywords | ゼオライト / X線吸収微細構造 / 酸化鉄クラスター / Co-Mo複合硫化物クラスター / 酸化モリブデンクラスター |
Research Abstract |
我々は、ゼオライト細孔内に構築された金属酸化物および硫化物の構造とその触媒作用を明らかにしようとした。まず、設備備品として購入したX線吸収微細構造解析システムを用いて、従来行ってきたゼオライト細孔内Co-Mo複合硫化物クラスターの構造決定を行った。解析は、多重散乱を考慮したFEFFパラメータを用いて行った。FEFFの有効性を、いくつかの試料について実験パラメータを用いての解析結果と比較することにより、確認した。Mo K-吸収端から求めたMo-Mo、Mo-Co、Mo-S結合の配位数および結合距離、さらに、Co K-吸収端から計算したCo-S、Co-Co、Co-Mo結合の配位数および結合距離に基づいて、ゼオライト細孔内Co_2Mo_2S_6クラスターは、キュバン型構造をもつことを初めて明らかにした。現在、真空ライン(デジタル真空計を装着)を用いての試料の作成と、流通系硫化反応装置(マスフローメーターを装着)を用いての触媒特性の検討を進めている。 ゼオライト細孔内Fe酸化物クラスターの構造をX線解析手法により明らかにしようとした。回折線強度の解析により、Fe酸化物は6個のFe原子からなるクラスターを形成し、NaYゼオライトのソーダライトケージ内に存在することが明らかとなった(論文;投稿中)。現在、ゼオライト細孔内にMo酸化物クラスターの合成を行っている。特に、クラスターの構造に及ぼすゼオライト細孔構造の影響、細孔内カチオンの影響を検討中である。さらに、真空ライン(デジタル真空計を装着)を用いての試料の作成と、流通系反応装置(マスフローメータを装着)を用いての触媒特性の検討を進めている。
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[Publications] Y.Okamoto: "Preparation and characterization of zeolite-supported molybdenum and cobalt-molybdenum sulfide catalysis" Catalysis Today. 39巻. 45-59 (1997)
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[Publications] Y.Okamoto.et al.: "Intrazeolite Nanocomposite Catalysis : Co-Mo Sulfides for Hydrodesulfurization" AIChE Journal. 43(11). 2809-2819 (1997)