1997 Fiscal Year Annual Research Report
膜型混合バイオリアクターとビフィズス菌特異的増殖因子を利用した生菌製剤の生産
Project/Area Number |
09650870
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
谷口 正之 新潟大学, 工学部, 教授 (00163634)
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Keywords | バイオリアクター / ビフィズス菌 / 混合培養 / 生菌製剤 / 増殖因子 |
Research Abstract |
本研究では、膜型混合バイオリアクターシステムとプロピオン酸菌の生産するビフィズス菌特異的増殖促進物質(BGS)とを利用した、生菌製剤としてのビフィズス菌の効率的生産法を開発することについて検討した。本研究において得られた結果は、以下のようにまとめられる。 1)プロピオン酸菌培養液が示す増殖促進作用を定量的に測定するために、Bifidobacterium longumを被検菌として高感度な寒天平板拡散法を用いたバイオアッセイ法を確立した。このバイオアッセイ法を用いることによって、各プロピオン酸菌の回分培養による増殖因子の生産量を比較した結果、Propionibacterium shermaniiが乳酸を炭素源としたときに最も多くのBGSを生産することがわかった。 2)ビフィズス菌の増殖に対するプロピオン酸菌の培養液が示す促進作用を、A)誘導期の短縮、B)比増殖速度の向上、C)最終菌体濃度の増加、D)生菌率の増加、E)増殖収率の変動などを指標にして検討した。その結果、BGSを含む培養液を添加することによってビフィズス菌の最終濁度および生菌率が増加することがわかった。しかし、酸素に対する耐性への影響については、培養工学的見地から検討する必要性があると考えられた。 3)2台の発酵槽と2本のホローファイバー型精密濾過膜モジュールとを組み合わせた膜型混合バイオリアクターシステムを開発した。このシステムを用いて、B.breveとP.freudenreichiiとの膜型混合培養を行った結果、ビフィズス菌は単独培養に比べて約1.4倍濃度まで生育させることができた。
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